2020.12.08

【ウインターカップ2020注目選手】山﨑一渉(仙台大学附属明成)「悔し涙から1年。成長した姿を見せると誓う“明成の8番”」

明成の背番号8を引き継ぐ山﨑一渉 [写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 東京にて12月23日から29日の期間で開催される「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度はインターハイ、国体も中止となったため、ウインターカップが最初で最後の全国大会となるが、ここで注目を集める選手を紹介する。

■ウインターカップ男子注目選手(3)山﨑一渉(2年/仙台大学附属明成高校/宮城県)

一渉と書いてイブと読む。199センチのサイズで抜群の外角シュート力を持つ2年生エースだ。1年次より八村塁(ワシントン・ウィザーズ)が高校時代につけた『背番号8』を身につけ、早くもウインターカップでは得点源になった。しかし準々決勝の北陸戦で完敗。自身も11得点に留まった。佐藤コーチから「悔しかったら泣いてもいいんだ」との言葉をかけられると、涙があふれて止まらなかった。将来性が光る逸材ではあるが優しい性格のため、「自分の感情を表現してほしいし、その悔し涙を忘れずに前に進んでほしい」との思いが佐藤コーチにはあったのだ。

 悔し涙の冬から1年。今年の明成は選手層の厚い3年生が引っ張るが、「最後は一渉が決めてほしい」と佐藤コーチからの要求はさらに高くなっている。課題である体作りとインサイドの攻撃力をつけてパワーアップに励む毎日だ。

 山﨑は八村塁に憧れて明成の門を叩いている。小4の頃(2013年)にテレビで見たウインターカップでは、高校バスケを沸かせるスーパールーキーの姿があった。山﨑は一瞬にして「塁さんのようになりたい」と憧れを抱く。翌年には地元の千葉で開催されたインターハイを毎日のように観戦しに行き、憧れの存在を食い入るように見つめていた。

「塁さんはいつでも気持ちを出したプレーをして、自分にはまったくないものを持っている。男の中の男だと思いました」と試合後には握手を求めにいき、興奮のあまり一緒に観戦していた母に「『明成高校でバスケがしたい!』と宣言していました」という逸話もある。憧れたのは八村だけではない。そのインターハイで明成は決勝に進出したが、U17世界選手権に出場するため八村と納見悠仁新潟アルビレックスBB)は決勝の舞台には立てなかった。それでも「みんなで頑張るところがいいなあと思いました」と言うように、一渉少年の脳裏には、明成が織り成すチームプレーがずっとやきついていたのだ。

 松戸一中時代、山﨑は3年の関東大会2回戦で73点中67得点を決めて注目されたが、チームは惜敗。一人の活躍では勝てないことを痛感し、「自分はこんなにもバスケを知らなかったのだと高校に入って思い知らされた」と明かす。そして今では「みんなで考えながら点を取ることは難しいけど楽しいと思えるし、チームプレーをする中で大事なところで決めるのがエース」という自覚が芽生えている。

 ウインターカップでは「自分たちがやってきたことを信じて、気持ちでは一歩も引かないプレーをします」と昨冬からの成長を見せる覚悟で挑む。

エースの自覚が芽生えており、前回大会から成長したプレーが楽しみ [写真]=小永吉陽子

文・写真=小永吉陽子

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