世界からインターハイへ…明成の山﨑一渉は「自分たちのバスケットをやり続ける」

　7月28日、「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」男子の準々決勝が行われた。

　昨年のウインターカップ覇者・仙台大学附属明成（宮城県）は、飛龍高校（静岡県）と対戦した。ラトビアで開催した「FIBA U19ワールドカップ2021」に出場し、帰国後の隔離期間を経て、この試合から合流した山﨑一渉（3年）と菅野ブルース（3年）は、ともにスタメンで出場。明成は終始主導権を握った戦いで119－61と快勝した。

　菅野は27分07秒の出場で23得点6リバウンド、山﨑は26分35秒の出場で18得点7リバウンドをマーク。2人は合流直後にも関わらず、明成の得点をけん引し、存在感を示した。

「プレーとしては（チームに）1カ月以上いなかった分、ディフェンスや細かい動きの部分で、まだ遅れているなと感じました」と自身の今大会初戦を振り返ったのは山﨑。

　山﨑は、「チームに穴を空けてしまったのですが、自分たちがやりやすい雰囲気で温かく迎え入れてくれたことに感謝したいです」とチームメートへの思いを口にし、さらに「（明成の選手は）一人ひとりが心の部分で成長しているなと感じました。そこは世界と戦ってきたといっても、明成でやっていた選手たちには及ばないと思うので、必死に追いつけるようにしたいです」とも語った。

　帰国後の隔離期間ではリングがなく、シュート練習ができなかったこともあり、「2週間も（シュートを）打っていないので、ちょっとおかしくなっているのは分かっていました」と山﨑。それでも試合開始早々にシュートを決めたことについて「チームとして最初に自分のシュートを作ってくれたのでやりやすかったです。シュートが入らない前提でやろうと思い、まずはインサイドを中心に攻めました」とコメントした。

「高さとフィジカルで、日本にいるときより比べ物にならないレベルの中でやれたので、そこは自信を持っていきたいです」とワールドカップでの経験はかけがえのないものとなった。

　最上級生となって迎えるインターハイ、「チームを支えないといけない立場なので、声でもプレーでも引っ張れるようにしたいです」という山﨑は、明日の準決勝に向けて「ディフェンスから走って、確実に点を取って、自分たちのバスケットをやり続けます」と意気込んだ。

　ついに出そろった4強。準決勝の壁を乗り越え、ファイナルの舞台へ辿り着くチームはどこになるのか、明日も目が離せない。