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昨年度に引き続き、スタメンの平均身長が190センチを超す大型ラインナップで勝負をかける仙台大明成。得点力がアップしたエース山﨑一渉(199センチ)、ドライブが得意な大型ポイントガード菅野ブルース(198センチ)、プレーの幅を広げたインサイドの山﨑紀人(196センチ)の3本柱を軸に、どこからでも攻撃ができるチームを目指している。「選手の可能性を育てたい」(佐藤久夫コーチ)と取り組んでいるその高さある攻防は、高校バスケでは“規格外”のスタイルだ。
だが、大型化への道のりは決して簡単なものではなかった。昨年よりも選手層が薄く、ポジションコンバートもあり、チーム作りには時間を要した。インターハイではU19ワールドカップに出場した山﨑一と菅野が2週間の隔離等で練習ができなかった期間を含めて調整不足が響き、どこか噛み合わずに準決勝で敗れている。
ただ2人のエースが不在だった間に、2年生の内藤晴樹や八重樫ショーン龍が成長。1年生のウィリアムスショーン莉音、佐藤晴ら新戦力も台頭し、夏以降、チーム力は格段に上がっている。
大型化といっても昨年とは一味違う。昨年はサイズのある選手たちが仕掛ける運動量豊富なゾーンディフェンスが脅威となり、結果的にロースコアに封じ込める形になったが、本来は決勝の第4クォーターに大爆発したように、どこからでも攻めることを目指している。そのため、今年はよりオフェンスを強化し、全員が3ポイントを打ち、全員がリバウンドからボールプッシュができるような、オールラウンド化に取り組んでいる。佐藤コーチが掲げる大型化とは「大きい選手が、小さい選手と同じ動きができてはじめて意味がある」というだけに、大会目前の今も追求中であり、「試合ごとに成長すること」(佐藤コーチ)がポイントになる。
カギを握るのはポイントガードにコンバートした菅野とパスが得意なインサイドの山崎紀。2人が内外角の起点となって機能することで、今までにないスケールの大きなバスケが展開できるだろう。日本一を目指すとともに、規格外のチーム作りにも注目したい仙台大明成だ。
文=小永吉陽子