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『B MY HERO!』
「相手がうちに対して準備をしてくる中、その上を行くにはストロングポイントだけを伸ばすのではなく、苦手なところにも目けてチャレンジをすることが必要。そういったことを踏まえて練習をしてきました」
今夏、インターハイ初優勝の歓喜に沸いた中部大学第一高校(愛知県)。指揮を執る常田健コーチは、夏のチャンピオンとして迎えるウインターカップに向けての取り組みをこう語った。
「相手が強化をしてくる以上のものをこちらも身につけないと、100パーセントの力を出し切ることさえも難しくなります。プラスアルファになるものは何かと考えたら、苦手だったことができるようになることがチーム力アップになるのではないかと思いました」と常田コーチ。苦手なものは選手個々で内容こそ異なるが、そこに真摯に取り組むことで、同時にメンタルのタフネスさも生むと常田コーチは捉えている。また、その一環で、チームとしてはゾーンディフェンスを一度封印。「どちらかということこれまでは苦手としていて、ファウルトラブルに陥ることもあったマンツーマン、大きい布陣でも守れるマンツーマンを再確認してきました」という。
チームの主軸はスピードが持ち味のポイントガードである下山瑛司(2年)にシューターの坂本康生(2年)、オールラウンダーで下級生の頃から主軸を担う福田健人(3年)やインサイドで強さを見せる田中流嘉洲(3年)とビッグセンターのアブドゥレイ トラオレ(3年)ら。夏から大きくは変わらないが、夏以降はケガなどで選手がそろわない中、様々な選手を起用したことで試合に出場可能な選手が増えたという。ウインターカップでもインサイドとアウトサイドとバランス良く点の取れる布陣で頂点を目指す。
ウインターカップでは、序盤から強豪チームとの対戦が予想され組み合わせとなったが「一戦一戦、気が抜けない試合が続きますが、組み合わせが決まった時点で、(大会に向けた)準備をしなければいけないと切り替えています」と常田コーチは言い切る。
さらに激しいトーナメント戦を勝ち切るポイントに「普段の練習から守らなければいけないチームとしてのルールをいかに守ることができるか。やらなければいけないことに対しての遂行能力を高くすること」を挙げた。
夏を制したことで、『打倒・中部大一』を掲げて挑んでくるチームは多い。だからこそ、冬の全国ではチームの土台をさらに強固にして臨む構えだ。相手がどこであれ、自分たちのバスケットを貫く。その先に、冬の王者の称号が待っているに違いない。
文=田島早苗