2021.07.10
感嘆のため息がもれるまでにそう時間は掛からなかった――。
「日本生命カップ 2021 バスケットボール男子日本代表国際強化試合 2021(沖縄大会)」の初戦、ハンガリー代表を相手に79-58と勝利した日本代表。中でも試合前から注目を集めていたのが今大会から日本代表に合流したトロント・ラプターズの渡邊雄太だ。
その渡邊は、試合開始から20秒、チームの先制点となる3ポイントシュートを沈めると、その後もダンクシュートなどを含め第1クォーターだけで10得点。またオフェンスだけでなく、タイトなディフェンスやリバウンドにスティールと多彩な活躍で、格の違いを見せ付けた。
「チームとしてすごくディフェンスの足が動いていて、それがオフェンスでもいいリズムを生み出していたと思います。(これからも)フィジカルにディフェンスをやり、足を動かしていけば、どんどん良いチームになるのではないかなと思いました」と、メディア向けのリモート取材に応じた渡邊は、こう試合を振り返った。
また、自身の出来に関しても「序盤は意識的にチームのリズムを生み出さないといけないと思い、積極的に攻めて得点に絡んでいければと思っていました。今日はシュートタッチも良かったですし、ドライブで(ディフェンスを)引きつけてのパスの判断も悪くなかったと思います」とコメント。だが、「僕自身、もっともっと成長していかないといけないところがあるので、オリンピックまであまり時間はないですが、短い時間で成長できるように一日一日を大切にできればと思います」とも語った。
「世界を相手に勝っていくとなると僕が中心となってやっていかないといけないという責任はあります。ラプターズでやっている役割とは全然違うものになると思います」と日本代表での主軸としての思いを口にした渡邊。それはプレーだけでなく、田中大貴(アルバルク東京)とともに担っているキャプテンとしての責務も同様で、ベンチに下がっている時間は好プレーに立ちあがりガッツボーズを見せたり、積極的な声掛けをしたりしている姿が見られた。
「試合に出ている出てないにかかわらず、キャプテンとして成長した姿を見せればと思っていました。意識的にやっていたところもありましたが、ベンチに下がっているときでもチームメイトが声を出していると、仲間もやりやすくなると思っています」
こう渡邊が言う背景には、2019年のワールドカップでリーダーシップが自身の課題として残ったと捉えていることやラプターズのエースたちの姿が大きく影響している。
「ラプターズでは、フレッド(バンブリート)やカイル(ラウリー)が声を出していて、それでやりやすかったところがありました。エースたちが声を掛けてくれると、もっともっと頑張らないとと思ったので、日本代表では僕がそういう役割をやっていこうと思っていますし、これからも継続してやっていきたいと思っています」
「素晴らしいアリーナ」と自身も語った沖縄アリーナで『これぞNBA』というプレーを披露した渡邊。頼もしい日本のエースは、第2戦以降、さらに存在感を大きくしていくだろう。
文=田島早苗
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