2023.08.25
8月24日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の初戦を間近に控えた男子日本代表(FIBAランキング36位)は公開練習を行なった。今大会のアジア最上位となりパリオリンピックの出場権を掴むという目標を掲げチーム作りに励んできた日本。ヘッドコーチ、選手が口を揃えて『最も重要』と語るドイツとの初戦を前に、トム・ホーバスヘッドコーチが取材に応じた。
東京オリンピックで女子日本代表を銀メダルに導いた名将が、男子日本代表の指揮官に就任したのはおよそ2年前。「速い展開のチームバスケット。体格が大きい相手にも簡単に負けない、フィジカルの部分を頑張るチーム」と自らが作り上げてきたチーム像を改めて語る。「少しずつレベルアップしてきた。今のドイツは結構強いから、これまでの成果を見せる本当に良いチャンスだと思います。どこまでうちのバスケットが行けるのか。本当に楽しみもあるし自信もあります。やるかしかないです」と、集大成を見せるその瞬間を待ち望んでいるようだった。
絶対に白星を掴みたい初戦の相手は、“死の組”と称されるグループEのなかでも1位通過本命とされているドイツ(同11位)。ゲームの鍵を握るのはデニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)への対策だ。ホーバスHCは「ドイツのエンジン」とシュルーダーを称し、「彼がペイントアタックをしたら、もう止まらないです。だから彼がペイントに入る前になにか仕掛けないといけないと思います」と警戒した。
「FIBAユーロバスケット2022」で3位に輝く強豪国が、シュルーダーのワンマンチームでないことは自明のことだ。「ドイツはバランス良いチームで、波に乗ったらもう全部止まらないです。いつも通り、リバウンドを頑張ることも当たり前です」と一筋縄ではいかない初戦の展開を予想した。また、注目が集まる先発5名については「フランス戦とスロベニア戦が終わってから足りない部分をアジャストしたメンバー」と話す。「スロベニア戦はディフェンスが足りなかったので、今は結構ディフェンスができる選手がいます」と強化試合を重ね、最後まで余念なく選んだ5名が今夜コートに並ぶ。
また、捻挫により最後の強化試合を欠場した渡邊雄太ついては「捻挫があってから、体力はどこまで行けるかどうかまだ分からない。試合中も様子をみて、短い間で交代を繰り返していくことになるかと思います」とその起用方法について語った。今週からジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)とも合わせの練習を行えたそうで、「細かいオフェンスの動きとかいろいろできました。彼がどこまでやれるかが非常に大きいです。たくさん使いたいと思っています」と世界最高峰の舞台を知る男に期待を寄せた。
そして、ホーバスHCが期待を寄せるもう1人の人物。最年長の比江島慎(宇都宮ブレックス)に対しては「このチームは若いメンバーが結構いるから、マコの経験、すごい大きいかなと思います。だから、この大会は何分使うかまだ決まっていないけど、たくさん使いたいです。彼の力は大きい」と話し、あらためて経験豊富なベテランへの信頼感を口にした。
「うちのベストバスケットを見せたいです。まだやってないと思います。そのハードルを越えたいです」と意気込みを述べたホーバスHC。まだ見せていないという日本の真価がどれだけのインパクトを世界に与えるのだろうか。世界に挑む日本代表の1次ラウンド初戦は、21時10分ティップオフ。日本テレビ系列とNHK沖縄(沖縄エリアのみ)で生放送、DAZNとバスケットLIVEでライブ配信される。
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