2022.02.14
「ケガしている間も本当にみんなのことを考えているんです」
東海大学の陸川章ヘッドコーチが、大倉颯太について教えてくれた。
「自分のリハビリをしながら(張) 正亮のワークアウトに付き合ったり、河村(勇輝)のワークアウトに付き合ったり、ずーっとチームのために。もともとの性格もあると思うんですけど、一層チームのためにという気持ちを感じましたね。試合に出ていない時もみんなにすごくいいアドバイスをして一緒に戦っていたので、コートに戻れて本当に良かったと思います」
10月31日、大倉颯太がコートに戻ってきた。
前十字靭帯断裂、内側側副靭帯断裂、半月板損傷と診断され、全治12カ月。復帰まではもう少し時間がかかると思っていたが、大ケガを負った2月14日から259日で復帰を果たした。
「支えてくれたみんなへ、感謝を伝える機会がやっときたなという気持ちです。僕がいない間、本当にチームのみんなも頑張ってくれましたし、今は(リーグ戦で)優勝して、いいチームを作るプロセスの中で、ここからさらにチームを引っ張れるような活躍、パフォーマンスができるかという点にフォーカスしてやっています」
医師から出場可能のGOサインが出たのは、31日の「第97回関東大学バスケットボールリーグ戦」を控えた月曜日(25日)だったという。リーグ戦は佳境に差し掛かった残り4戦。前節で初の黒星がついた東海大にとっては、この上ない起爆剤となったことだろう。
大倉はチームに「クリエイトする力と落ち着かせる力」(陸川HC)をもたらし、7日に行われた日本大学との優勝をかけた一戦では、ケガ明けを感じさせないプレーを見せて22得点。コートの外ではなく、中で、しかも自身の活躍でチームを優勝へ導いた。
しかしながら、優勝してもなお、あまり喜びに浸ることなく次を見据えることころも、また大倉らしい。
「ゲームを進めていく中でのアジャストする力。そこをチームとして高めていかないといけないなと思っています。今日も少しリラックスしてしまうところがありましたし、そういったところも含めゲームに対してのアジャストをもっとうまくできればいいなと思います」
3年ぶり6度目のリーグ制覇を成し遂げ、日本一へのラストピースがそろった東海大。対戦相手としては最も厄介な選手が戻ってきたと感じているかもしれない。しかしその一方で、全員がこう思っているはずだ。
「おかえり。復帰おめでとう!」
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