2021.10.13

【Wリーグ注目選手】アイシン・酒井彩等「ディフェンスからブレイクを見てほしい」

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 いよいよ10月16日より第23回Wリーグが開幕する。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。

 第7回はアイシン・ウィングスの酒井彩等。ミニバス、中学、高校で日本一を経験しているキャリア豊富なガードは、8シーズン目となる今シーズン、キャプテンを担う。新生・アイシンにおいてコート内外でカギを握る存在だ。

今シーズンは積極的にシュートを狙っていきたい

――まず、昨シーズンを振り返ってください(西地区5位)。
酒井 テクニカルアドバイザーとして桜木ジェイアールさんがチームに加入して、バスケットを楽しむといったことを伝えてくれました。ただ、結果につなげるところまではいかなかったので、楽しさだけではなく、もっと一人ひとりが自覚持って、自分で考えて練習に取り組むべきだったなと感じました。

 昨シーズンは、チーム練習ではスクリーメージが多く、基礎の動きはすでにできているということが前提にありました。でも、細かいところも日々積み重ねていかないといけなかったと思うので、そこは自分たちで考えてそれまで以上に自主練習をするなどの必要があったと思います。

――今シーズンより何度も優勝に導いてきた中川文一氏がヘッドコーチに就任しました。
酒井 個人的に思うのは、中川さんはバスケットに対しての熱量がすごい。体育館にいればいただけうまくなるとは限らないのですが、それくらいの思いを持って取り組まないといけないと思わせてくれます。『何を懸けてここでやっているのか』『日本の最高峰で戦っているのだから負けていいわけはない』といった気持ちの面で大きな影響を受けています。

――プレースタイルでは?
酒井 みんなで守って走る。そこはシンプルです。セットオフェンスもそこまで使わないので、自分たちで考えることは昨シーズンよりも多くなりました。頭を使いますね。能力が高くても、感覚だけやってはいけないということを感じます。シーズンに向けてディフェンスを強化しているので、ディフェンスからブレイク、そこを見てほしいですね。

――今シーズンはキャプテンに就任しました。
酒井 話をすること、声を出すことなどコミュニケーションを取ることは意識してます。もともとそんなに話すのは得意ではないのですが…(笑)

――個人的にプレーで心掛けていることなどはありますか?
酒井 ガードの私が速い展開に持っていくこと。あとはもう少し積極的にシュートを狙っていきたいです。

――シュートは持ち味でもありますよね。
酒井 私、シュート入りますかね? シュートはあまり得意ではないんですよ…。周りからは「入るイメージがあるのになんで打たないの?」と言われるのですが…。

――中高時代を含め、シュートが入る点取り屋のイメージです。
酒井 そうやって言ってもらうんですけど…。前に、(中学時代の恩師である)杉浦裕司先生(現・東海学園大学ヘッドコーチ)が練習を見に来てくれたのですが、その時にも先生からもっと自分のプレーを出した方がいい、シュートを打った方がいいとアドバイスをもらいました。中川さんのバスケットは一人のエースに頼るわけではなく、どこからでも、みんなで取るスタイルなので、私も積極的にいかないといけないなと感じています。

――最後に今シーズンに向けて抱負をお願いします。
酒井 昨シーズンはプレーオフにも行けず、結果が出せませんでした。今シーズン私が起点となって、積極的に引っ張ってチームを勝たせるようにしたいです。やっぱり、結果を出したいですね。ただ、結果ばかりにこだわると、自分らしいバスケットができなくなるとも思うので、今シーズンは思い切っりプレーしたいです。

“読書の秋”に読む本は?
 スマホやタブレットから情報を得られる時代だが、酒井は「本も読みます」と言う。本は、書店にふらっと入って気に入ったものを買うそうで、最近読んだのは『ウチダメンタル 心の幹を太くする術』(幻冬舎)。近頃は自己啓発のジャンルの本を読むことが多く、それには「今はチームのことを考えないといけないと思ったから」というキャプテンとしての秘められた思いがある。

多彩なオフェンステクニックを持つ酒井[写真]=Wリーグ

取材・文=田島早苗

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