2021.10.16

【Wリーグ注目選手】日立ハイテク・谷村里佳「これまでの経験を伝えていくことも私の役割」

今シーズンはキャプテンを務める谷村里佳 [写真]=バスットボールキング編集部
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 いよいよ10月16日より第23回Wリーグが開幕する。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。

 第13回は日立ハイテククーガーズ谷村里佳。高さと強さを持ち合わせるパワーフォワードで、移籍1年目となった昨シーズンは大黒柱として活躍。個人では皇后杯とWリーグレギュラーシーズンのベスト5を受賞した。日本代表候補としての経験も大きく、2年目となる今シーズンはさらなる飛躍を誓っている。

日立ハイテクの得点源を担う屋台骨

――昨シーズンは7位タイで終えました(レギュラーシーズンは東地区3位)。
谷村 チームの目標がベスト4で、私もヘッドコーチの内海(知秀)さんもチームに入って1年目の中、皇后杯でベスト4に入り、目標を達成できたことは良かったと思います。でも、いい戦いをしても、競った時に負けてしまう、Wリーグでは最後の(プレーオフ・セミクォーターファイナルでの)トヨタ紡織サンシャインラビッツ戦のように、あと一歩のところで勝ち切れなかった試合が多かったです。そこが今シーズンに向けての課題だと感じています。

 トヨタ紡織戦は最初から最後まで相手のペースで、流れをつかめずに終わってしまいました。まだチームとしての経験が少ないから仕方のないことではあるのですが、昨シーズン得た経験を今シーズンはどうプラスに変えていけるかだと思っています。

――個人としては移籍1年目でした。
谷村 絶対に結果を出したいと思っていたので、昨シーズンは自分のことに集中させてもらったシーズンでした。得点もリバウンドも数値的に見て今までを上回りましたし、ベスト5もいただけたので、そこは良かったです。

――今シーズンに向けて課題は?
谷村 プレーでは、昨シーズンのように、もしくはそれ以上に私が要になると思います。チームとして一段階上に上がるためにも、これまでの経験を周りの選手たちに伝えないといけないと思うし、それが役割だとも思っています。そういった意味でも内海さんからキャプテンを任されたと思っています。

――日本代表の活動でチームに生かせるものは?
谷村 昨シーズンはほとんどインサイドでプレーしていたのですが、今シーズンはワシントン錦(185センチ)やダラーメ マレム ドイ(187センチ)と5番ポジションの選手がいるので、私は今までよりももう少し外から攻めることになると思います。それは日本代表でやっていたバスケットとつながると感じますね。

――キャプテンから見てチームの雰囲気は?
谷村 昨シーズンの何倍も、何十倍もいいです。昨シーズンを通してみんなが手応えや課題を得て、自覚を持って新たなシーズンに入っているので、それぞれの勝ちたいという気持ちが伝わってきます。日本代表活動中は、代表活動からチームに帰ってくるたびにどんどんと良くなっているなと感じていました。プレーもそうですが、一人ひとりの気持ちの強さを感じました。

――昨シーズンの成績を越える活躍をファンの方たちも期待していると思います。
谷村 チームがもう一つ上に上がるためにも、精度の高いバスケットをしたいし、する必要があると思っています。ターンオーバーを減らす、リバウンドに積極的に飛び込むといったこともそうですし、今まで以上に相手への対応や正しい判断ができるように。レベルアップをした姿を多くの方に見てもらいたいし、見せられるのではないかと思ってます。

日立ハイテククーガーズの初戦は10月23日。新潟アルビレックス BBラビッツと対戦[@新潟市東総合スポーツセンター]

おふくろの味は『ラザニア』
 日立ハイテクの活動拠点である茨城県は谷村の出身地。「すべて美味しいのですが、ラザニアが好きですね」と、時間がある時は実家に帰って母の手料理を食べるのが楽しみの一つだそうだ。
 実は、谷村はアメリカ合衆国のニューヨーク州生まれ。父親の仕事の関係で3、4歳の頃までアメリカに住んでいた。そのためか、日本に帰国してからも朝はベーグルなど、洋食が多かったという。「もちろん和食も食べますが、家に常備してあるものがチーズやフランスパンなどが多かったですね」と谷村。「英語のリスニングは子供の頃は得意でしたが、時間が経つにつれ、できなくなってしまっているので、また英語を勉強したいなと思っています」とも語ってくれた。

体の強さとしなやかさを持ち合わせる谷村[写真]=Wリーグ

取材・文=田島早苗

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