東京五輪バスケットボール出場全12カ国のパワーランキングは?[写真]=Getty Images、伊藤大允
東京オリンピックがいよいよ開幕! 女子の5人制バスケットボールは7月27日(火)にティップオフを迎える。女子日本代表は、7月の強化試合でオリンピック出場国のベルギーとプエルトリコに勝利し、トム・ホーバスヘッドコーチが掲げる「金メダル獲得」の目標に向けて順調に準備を進めている。
そこで今回は、『FIBA.basketball』に掲載された、ポール・ニールセン記者による出場全12ヵ国のパワーランキングを紹介したい。本記事は7月13日に掲載されたもので、あくまでその時点でのパワーランキングであり、「チームパワーは変わり得るもの」としている。
※世界ランキングは3月1日現在
1位:アメリカ
2位:セルビア
3位:オーストラリア
4位:中国
5位:ベルギー
6位:フランス
7位:スペイン
8位:日本
9位:カナダ
10位:ナイジェリア
11位:プエルトリコ
12位:韓国
■1位:アメリカ(世界ランキング:1位)
[写真]=Getty Images
東京に行けない選手のリストを見たことがある者はいるだろうか? 仮にそのリストでセカンドチームを作ったなら、アメリカ代表のファーストチームと決勝で戦うのだろうか? もちろんその真偽を知ることはできないが、そのリストは息を呑むほど強力だ。出場する選手のリストは開いた口が塞がらないほどだ。GOAT(歴代最高の意味)、レジェンド、将来レジェンドたちがそろう。アメリカは現在のチャンピオンであり、将来のチャンピオンに間違いない。その座から引きずり下ろそうと考えることすらはばかられるほどだ。
■2位:セルビア(世界ランキング:8位)
[写真]=Getty Images
「ヨーロッパの女王」と呼ばれるセルビアは、先月の大会でイタリア、スペイン、ベルギー、フランスといったヨーロッパの強豪を破り、一度も負けることなくFIBA女子ユーロバスケットのチャンピオンに輝いた。「2位は高すぎる」と言いたい人たちも、リオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得したことも考えれば、決勝進出もそう遠い話ではないだろう。
■3位:オーストラリア(世界ランキング:2位)
[写真]=Getty Images
昨年のFIBA女子オリンピック予選で、オーストラリアはフランスに敗れた。それでもリズ・キャベッジが注目選手の1人であることに変わりはない。2メートルを超える身長に、スキルと勝負強さを兼ね備えたチームのエースだ。
※リズ・キャベッジは16日に五輪出場辞退を表明
■4位:中国(世界ランキング:9位)
[写真]=fiba.com
いまだに未知数な部分は多いものの、経験と若さがうまく融合しているようにも思える。昨年のFIBA女子オリンピック予選では強豪スペインに完勝し、3勝無敗でオリンピック出場を決めた。その大会でMVPを受賞した李夢や、韓旭、李月汝といった魅力的なニュースターも多い。2008年北京オリンピックでは準決勝に進出している。
■5位:ベルギー(世界ランキング:6位)
[写真]=伊藤 大允
先月のFIBA女子ユーロバスケットで銅メダルを獲得したものの、3位決定戦で主軸のエマ・ミースマンは決勝に進めなかった悔しさを抱いているようだった。その悔しさと野心は、初出場となるオリンピックでの発奮材料になるだろう。不世出のヒーロー、ヤナ・ラマンも怪我から復帰し、ベルギーはFIBA女子ユーロバスケットの銅メダル以上を狙う。
■6位:フランス(世界ランキング:5位)
[写真]=fiba.com
先月のFIBA女子ユーロバスケットでは決勝まで順調に進み、4度の決勝での敗北に終止符を打つことは既定路線と思われたものの、セルビアに敗れ、またしてもメジャー大会で苦汁をなめる結果となった。その後、オリンピックへの最初の強化試合であるスペイン戦にも敗れた。しかし、先週末には敗北から立ち直り、きっちりと勝利を収めている。
■7位:スペイン(世界ランキング:3位)
[写真]=Getty Images
厳しい評価と思われるかもしれない。しかしこれが先月のFIBA女子ユーロバスケット共同開催国としての結果によるものだ。僅差で負けた試合も多く、アルバ・トーレンスが新型コロナの陽性反応で欠場したことも痛手だった。彼女の復帰は非常に大きい。前回のリオデジャネイロオリンピックでは初の決勝に進出し、素晴らしい活躍を見せたものの、ベテラン選手が代表から外れ、新旧交代もその最中にある。今回のオリンピックは、過去約10年の間輝き続けたチームにとって、現在地を確かめる機会となる。
■8位:日本(世界ランキング:10位)
[写真]=伊藤 大允
昨年のFIBA女子オリンピック予選では見事なプレーを見せ、全てが順調のように見えた。しかし新型コロナの影響でオリンピックが延期されると、渡嘉敷来夢など重傷者が続出し、大会の無観客も発表され、悪夢のような出来事が続いた。しかし日本には優れた選手と、トム・ホーバスHCという優秀な指導者がいるため、決して厳しい状況ではない。
■9位:カナダ(世界ランキング:4位)
[写真]=fiba.com
世界ランキング4位の国が、サンフアンで先月行われたFIBA女子アメリカップでは4位に終わり、出場していなかった何人かの大物選手を五輪に向け取り戻す必要があるだろう。しかし、新型コロナ禍においてアメリカップ以上の準備ができたのかは疑問が残る。カナダはこのパワーランキングをロッカールームのドアに貼ってモチベーションを高めることができれば幸いだ。そしてこの国は表彰台を目指すべき国であり、その才能があることは確かだ。
■10位:ナイジェリア(世界ランキング:17位)
[写真]=Getty Images
FIBA女子バスケットボールワールドカップで素晴らしい活躍をしたアフリカ王者をこの順位に追いやっているのは失礼なことだ。これは今回のオリンピックがいかに競争の激しいものかを物語っている。FIBA女子オリンピック予選でも活躍したナイジェリアだが、オリンピックでのグループ分けは運悪く、フランス、日本、アメリカが同組と、厳しい組分けとなってしまった。
■11位:プエルトリコ(世界ランキング:23位)
[写真]=加藤誠夫
初のオリンピックに向けて準備を進めていることは、国全体にとってもエキサイティングなことだと思われる。しかしオリンピックでの歴史的初勝利を手にするには少々ハードルが高い。先月のFIBA女子アメリカップでは、主力を欠いているとはいえカナダに大勝し決勝に進出するも、非常に若いアメリカ代表に敗れ苦い経験をした。
■12位:韓国(世界ランキング:19位)
[写真]=fiba.com
韓国がグループリーグ突破の力があると思わせるには、やるべきことがある。FIBA女子オリンピック予選ではイギリスとの接戦を制して東京への切符を勝ち取ったが、世界レベルの主要大会で韓国が最後に勝ったのは10年以上もさかのぼらないといけない。