2025.09.11
9月11日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第253回が配信。9月1日から『B.LEAGUEドラフト2026』の志望届提出が開始されたことを受け、ドラフト制度導入の経緯や課題、日本バスケットボール界への波及効果について語った。
2026年1月29日に初開催されるBリーグドラフトは、各クラブの新戦力獲得機会の均等化と戦力均衡を目的としている。島田チェアマンは現状の地域間格差により、首都圏の強豪大学に所属する選手が特別指定制度などを通じて関係性を深め、そのまま首都圏クラブに入団するケースが多いと指摘。「どうしても一部のクラブにそういう将来有望な選手が集まりやすいという、この状況をフェアに持っていきたい」と戦力分散の必要性を強調した。
ドラフト方式は、初回の2026年と翌2027年は均一倍率による選択順抽選を実施し、2028年以降は前年度の成績下位チームが優遇されるウェバー方式を採用。選手選択は3段階で構成され、まず自クラブのユース選手に対しドラフト1巡目の最高報酬金額1400万円を上限とした優先交渉を実施。交渉が決裂した場合はその選手も含めてドラフトを行い、最後にドラフトで選択されなかった自クラブユース選手と再度交渉が可能となる。
制度実現の課題として、島田チェアマンは「プロ野球のドラフトが成立してるのは、当たり前ですけど12球団、どこに行っても大きな球団じゃないですか。だから環境面は整ってますよね。バスケはそこに至ってなかった」と各クラブの環境整備を挙げた。そのため「練習環境や遠征環境、栄養環境とか、すごい細かく定義して、この条件をクリアしないと、Bプレミアのクラブであってもドラフトの参加権はない」という厳格な基準を設定したことを明かした。
またユース育成との両立もドラフト制度導入における難題だった。プロ野球とは異なり、BリーグはクラブごとにU15・U18などの育成機能を持っている。しかし、長年投資して育成した選手がドラフトで他チームに取られてしまう構造ではユースの価値がなくなってしまう懸念があったため、U18に直近連続2年以上の登録期間がある場合に、ユース選手への優先交渉権が持てる制度を設けた。
島田チェアマンは「(設定期間が)長すぎても、さすがに育成するクラブ側からしたらきついし、短すぎたら(ドラフトを通さない)そういう抜け道になる。一方で、ドラフトを作るってことは、ドラフト自体の存在価値も見出さないと」と、バランスの取れた制度設計の難しさを語った。
ドラフト制度によって、島田チェアマンは高校や大学とBリーグとの接続が強まり、野球界における“甲子園”のように注目選手の進路に関心が集まる波及効果にも期待を寄せた。「オールバスケで盛り上げていく上で、もう一つの登竜門をつくることは重要」と述べ、学生たちの視座向上や育成レベルの強化、さらにはバスケットボール界全体の活性化を狙う。ただし、新制度が定着するには数年を要すると認め、導入前にアマチュア選手の駆け込み的なプロ転向が見られる現状を踏まえ、長期的な視点での制度定着と、ファンが継続的に応援したくなる環境づくりを目指す。
今回のエピソードでは、株式会社りらいぶとのパートナーシップ契約締結により選手が着用するユニフォームへ血行促進技術を活用することや、『NBA Gリーグ・ユナイテッド』との国際親善試合が群馬クレインサンダーズ、アルバルク東京と行われることなどについても語られた。
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