2025.10.30

Bリーグを支えるスタッフの待遇問題…島田慎二氏が語るサラリーキャップの本質

『島田のマイク』第260回のエピソードが公開
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 10月30日、島田慎二氏(日本バスケットボール協会会長/Bリーグチェアマン)のポッドキャスト番組『島田のマイク』第260回が配信。リスナーからのお便りを中心に、バスケットボール業界を支えるスタッフの待遇改善や番組スポンサーである『全国ドライバー応援プロジェクト』コーナーで危険予測と自己管理術について語った。

 番組に寄せられたお便りでは、Bリーグを支える周辺スタッフの待遇について率直な意見が述べられた。プロレフェリーの人数不足による睡眠不足、チアリーダーの兼業状態、会場スタッフのボランティア依存など、複数の課題を指摘。リスナーは「レフェリーにしてもチアにしても会場スタッフにしても、何故ボランティア精神に頼っているのか。選手に1億円を払えるのであれば、支えるスタッフにも然るべき賃金を支払うべき」と提言した。

 島田氏は「(サラリーキャップの上限を)いたずらに上げないで、私が耐え忍んでいるのはこういう理由」と、2026-27シーズンから始まる『B.革新』におけるサラリーキャップ制度の本質を説明。既に複数のB.PREMIER(Bプレミア)参入クラブが選手総年俸で制度上限となる8億円を超えていることを踏まえ、一部選手や関係者からは最高値の引き上げを求める声も少なくない。一方、大半のクラブは5億円未満とサラリーボトムを下回っているのが現状であるからこそ「(制度導入を前提に)戦力均衡させることで面白くなり、投資家が集まる」という循環が今まさに生まれつつあるという。

 オーナーの資金投下に依存せず実質的にクラブ経営が強くなれば「トリクルダウン的にバスケに関わる人たちに経済波及効果が及んでいく」と、島田氏は長期的には全体の待遇改善につながるという戦略を明かし、「業界全体の発展を考えている判断なので、徐々にこういうところにも改善が流れていくと思います」と、中長期的な道筋を示した。

 プロレフェリーについては、現在の9人から来年は20人体制へ拡大予定であることに加えて、「プロとして食べていけるような人たちの枠組みも増やしている。これはリーグの責任としてやっています」と、待遇面改善の取り組みも進行中。チアやボランティアスタッフについては各クラブの状況に寄るところもあるが、地元企業からの支援や外部委託の活用といった新しいモデルも広がってきているという。

 番組後半の『全国ドライバー応援プロジェクト』コーナーでは、秋の日没前後に交通事故が多発する時間帯でプロドライバーがリスク予測を行っていることが紹介された。島田氏はビジネスの視点で解釈し、組織運営における情報共有の重要性を強調。自分が得た経験や情報をチーム全体でシェアすることで、「誰がそのシチュエーションに立っても、同じ危機感を持って臨めるようにするというのは大事」だと述べた。

 今回のエピソードでは、以前番組で進路相談をしていたリスナーの成長報告や、体調や睡眠時間の管理がパフォーマンスにどのような影響があるかなどについて語られた。

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