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違法賭博疑惑のテリー・ロジアーが初出廷で無罪主張…アデバヨは支持「彼はまさに俺たちの兄弟」

裁判所に初出廷したロジアー [写真] = Getty Images

違法賭博疑惑の初出廷で無罪を主張

 違法賭博スキームへ関与した疑いが持たれているマイアミ・ヒートテリー・ロジアーが、ブルックリン連邦地方裁判所に初出廷し、罪状認否手続きの中で正式に無罪を申し立てた。

 ロジアーは今年10月、FBIの捜査の末に電信詐欺共謀およびマネーロンダリング共謀罪の容疑で逮捕。問題視されたのは、2023年3月に当時所属していたシャーロット・ホーネッツの一員として出場した一戦だ。

2023年当時ホーネッツでプレーしていたロジアー [写真] = Getty Images

 起訴状によれば、ロジアーはその試合で足の故障を理由に10分足らずでコートを去るが、その前に幼なじみのデニーロ・ラスターに対し、「早い時間帯で試合を離れるつもりだ」と伝えていたとされる。ラスターはその内部情報を転売し、複数の共謀者がロジアーのスタッツで「アンダー(運営側が設定したスコアよりも下)」に狙いを定め、合計20万ドル(約3100万円)以上をオンラインや店頭のスポーツブックに投じたという。ロジアーは宣言通りに試合から早期離脱したため、これらのベッティングは軒並み的中した。さらに、検察は試合後にシャーロットにあるロジアーの自宅で、ロジアーとラスターが現金の勝ち分を数えていたと主張している。

 一方、弁護士のジム・トラスティは「ロジアーは友人に『早めに試合を離れるかもしれない』と話したが、それは犯罪ではない」とし、違法行為を否定している。ロジアー側は合衆国憲法上の理由に基づく訴追棄却の申し立てを行う意向を示しており、裁判で徹底抗戦する構えだ。

 連邦地裁で行われた罪状認否において、ロジアーは裁判官の問いに「はい」または「いいえ」で答える以外の発言を慎んだ。現在は300万ドル(約4億7000万円)の保釈金を支払い、一時釈放されている。

チームメートは復帰望むもキャリアの行く末は

 ロジアーは、2023年の疑惑以来、NBAから独自調査を受けていたが、一度は「規約違反は確認されなかった」と結論づけされている。しかし、コートに戻る目処は依然として立っていない。NBAは逮捕後、即日でロジアーをチームから離脱処分に。報道によれば、現在もヒートとの契約下にはあるものの、無給のままチームから離れており、選手会(NBPA)はこの処遇に対して異議申し立てを行っている。

ロジアーを支持しているバム・アデバヨ率いるヒート[写真] = Getty Images

 ヒート側は、ロジアーの出場停止はリーグの決定であるとして、捜査と司法プロセスを尊重する立場を強調している。バム・アデバヨは逮捕直後、チームに良いエネルギーをもたらすロジアーについて「全面的に支持する。彼はまさに俺たちの兄弟なんだ」とコメント。ロッカールームには、ロジアーに対する信頼があることを示した。

 ロジアーも、1日でも早い解決を望んでいる。NBAとの仲裁手続きでは複数にまたがる訴訟に直面していることを理由に、裁判を迅速に進めるよう裁判官に要求。しかし、判事は「リーグとの仲裁は私にとっては一切関係のないことです」と、その懸念を一蹴した。

 次回の公判前審理は、2026年3月3日(現地時間)に設定された。検察は弁護側に対し、1000件超の文書と55ギガバイトを超えるデータを証拠として開示する準備を進めているという。しかし、ロジアーの弁護団も「起訴内容に対する反論をようやく本格的に始められる」と強気の姿勢を崩さない。

 今後の焦点は二つ。無論、ひとつは連邦裁判におけるロジアーの刑事責任を問う判決の行く末。そして、もう一つは仮にロジアーが有罪になった場合、NBAがジョンテイ・ポーターと同様に、永久追放に匹敵する厳しい処分が今回も検討されるかどうかだ。

文=Meiji

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