2026.07.02
「FIBAバスケットボールワールドカップ2027」アジア地区予選Window3での中国は、これまでより若返らせた布陣で臨む。というのも、これまで代表の主軸を務めてきた選手たちがコンディション面で整わず、強化合宿への参加を見送ったからだ。主な欠場者は司令塔のジャオ・ルイ(195センチ、30歳)、3ポイントが武器のフー・ミンシュエン(190センチ、28歳)、センターのジョウ・チー(212センチ、30歳)、大型フォワードのジャン・ジェンリン(208センチ、27歳)など。また、今後の中国を担う存在のツォン・ファンボ(206センチ、23歳)もケガが完治しないために選外となった。今回のメンバー選出についてグオ・シーチアンヘッドコーチは「ロス五輪までを見据えたメンバー構成」とコメントを出している。
ただ若いメンバーが増えたといっても、個々の能力が高く、役割を果たせるメンバーがそろった印象だ。若いチームを支える主軸は4選手。ポイントガードのジャオ・ジーウェイ(185センチ、30歳)は堅実なリード力と3ポイントを武器に、長年にわたって中国をけん引してきた選手。インサイドではフー・ジンチウ(207センチ、28歳)が大黒柱となる。彼なしでは今の中国代表は考えられないほど、体を張り続けたプレーでチームを支えている。シュ・ジュンロン(201センチ、26歳)は長身3&Dとして相手のキーマンを抑え、ガードのガオ・シーイェン(187センチ、30歳)はしつこいディフェンスで流れを変える。
ここ数年で急成長を遂げているのが、Window2の日本戦で逆転勝利に貢献したリャオ・サンニン(192センチ、25歳)だ。ペネトレートを得意とするポイントガードで、流れを一気に変える力を持つ。そのWindow2で躍動したシューターたちも要注意だ。リー・ホンチュエン(198センチ、24歳)は今シーズンのCBAで上海シャークスの優勝に貢献し、ホー・シーニン(193センチ、29歳)はレギュラーシーズンMVPを獲得。ともにリーグ戦で着実に力をつけてきている。
そして、Window3で待望の合流となるのが若き3選手。2024年にブルックリン・ネッツと2Way契約を結びながら、左ヒザ前十字靭帯断裂の大ケガを負ったために戦列を離れていたウイングのツイ・ヨンシー(199センチ、23歳)が待望の代表復帰を果たす。
フロントラインの2人にも注目だ。マサチューセッツ大学でプレーするワン・ジュンジエ(206センチ、21歳)は、昨夏のアジアカップで初代表ながらベスト5に選出された躍進著しいパワーフォワード。そして大注目なのが、昨年のNBAドラフトで1巡目16位に指名されたセンター、ヤン・ハンセン(216センチ、21歳、ポートランド・トレイルブレイザーズ)の合流だ。
ヤン・ハンセンは2024年から2025年にかけて行われたアジアカップ予選で代表デビューを飾っているが、目立った活躍はしていない。また、今回は合流した直後の6月末にオランダとの強化試合に出場しているが、パフォーマンス的には試運転といったところだった。この短期間でどれだけアジャストできるかがカギを握るが「中国のヨキッチ」と呼ばれるほどの万能性と高さを持つ選手だけに、今後厄介な存在になることは間違いない。
中国はシーズンを終えた順からメンバーを招集して強化をスタート。すでにセルビアのクラブチーム、オーストラリア代表、オランダ代表と強化試合を4戦行っている。試しながらの選手起用のため全員が4戦に出場しているわけではないが、日本より早い段階からチーム作りを進めていることには着目しておきたい。ポテンシャルのある若き芽からキャリアある選手まで、現在と未来が融合したチーム力でホーム戦に挑む。

地元・遼寧の試合でキャプテンを務めるジャオ・ジーウェイ [写真]=fiba.basketball
文=小永吉陽子
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