2018.03.08
現地時間2月21日の早朝、かつてデトロイト・ピストンズを2連覇へと導いたレジェンド、アイザイア・トーマスがアメリカのテレビ番組『First Things First』に出演。
今季終了後にプレーヤーオプションを行使すれば制限なしのフリーエージェント(FA)になることができるレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)の去就について、自身の見解を述べた。
「私がレブロン・ジェームズだとしよう。残留という線が濃厚だと言われているが、もしクリーブランドに残らないとしたらどうするか。私が彼だとすれば、ゴールデンステート(・ウォリアーズ)に行くだろうね。ケビン・デュラントとプレーし、ステフィン・カリーと一緒にプレーしようとトライする。自分の年齢とアスリートであることを考えたうえでね。20代の若者だったら(優勝できるチームを)自ら構築できる。だが30代となれば、(新しいチームに)加わらなきゃいけない」
トーマスはあくまで「自分がレブロンだとしたら」と仮定したうえで語っているものの、もし本当にレブロンがウォリアーズの一員になったとしたら、恐ろしいことこの上ない。トーマスは続けてこう語っている。
「これから先の10年間、今みたいにずっとゲームを支配することはできない。だから彼のやるべきことというのは、自身がフィットする場所を見つけてそこに加わること。そしてデュラントのような選手と一緒にプレーするということさ。レブロンにはこのまま残るのか、それとも新たなチームへと飛び立っていくかを選択できるというユニークな機会があるね」。
今はまだオールスターブレイクであり、ここからシーズン終盤戦、そしてプレーオフという厳しい戦いが待っているため、この時点でどこに移籍する予定だ、というようなことを公言する選手はまずいない。優勝を狙うチーム同士であればなおさらだ。
ただ、レブロンがウォリアーズへ移籍するという可能性はゼロではないというのが複数の現地メディアによる見解だ。レブロンは過去3シーズン連続で、ウォリアーズとファイナルの舞台で頂上決戦を繰り広げてきた。何度も戦えば、相手チームに対して敵意だけでなく、敬意を感じてしまっても決して不思議ではない。
実際、デュラントはウォリアーズへ加入する直前となった2016年のプレーオフ、ウエスタン・カンファレンス・ファイナルでオクラホマシティ・サンダーのエースとしてウォリアーズと激突し、3勝1敗から3連敗を喫してシーズンを終えている。同年のファイナルでウォリアーズが3勝1敗から3連敗となって優勝を逃したことを機に、「俺ならこのチームを助けることができる」と感じて移籍していったのである。
そう考えると、レブロンが来季ウォリアーズのユニホームを身にまとうというシナリオは捨て切れない。とはいえ、トーマスの発言はキャブスを応援するファンやウォリアーズを毛嫌いするファンから批判が殺到してもおかしくはないものだった。
ちなみに、トーマスは現役時代、キャリア13シーズンすべてをピストンズでプレーしてきた。キャリア序盤、チームはなかなか勝つことができず、チーム強化を求め、それができないならトレードを望んでいたこともあったという。だがチームは着実に強くなり、88年から3年連続でNBAファイナルへ進出し、89、90年に2連覇を果たした。
もしかすると、トーマスの発言は自身の現役時代よりもスター選手がFAで移籍しやすくなった環境に、嫉妬しているからなのかもしれない。
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