2018.12.10
1990年代序盤から2000年代中盤にかけて、NBAにはペイント内を支配し、得点を量産した選手がいた。
男の名はシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)。“シャック”の愛称で親しまれた男は、216センチ147キロの巨体を駆使して強烈な存在感を示し、得点にリバウンド、ブロックにアシストにと猛威を振るった。
シャックにはディーゼル、ビッグ・アリストテレス、ウォリアー、スーパーマン、M.D.E.(Most Dominant Ever/史上最も支配的な男)といった数多くの異名を持ち、独特のユーモアセンスでメディアやファンを大いに楽しませるなど、最も絶大な人気を誇ったビッグマンと言っていいだろう。
12月1日(現地時間11月30日)、そのシャックが現地メディア『ESPN』のラジオ番組に出演し、スティーブン・A・スミス記者らとトークを楽しんだ。
そこでシャックは、ミルウォーキー・バックスの大黒柱ヤニス・アデトクンボを絶賛していたので紹介したい。
多くのニックネームの中でも、シャックが「お気に入り」と評した“スーパーマン”というニックネームを、“敬意と楽しみ”を込めてアデトクンボに与えた。シャックは言う。
「俺はこれまで、他の選手たちに自分のニックネームを与えたことはなかった。だが彼にはこの異名を与える。ヤツは新たなスーパーマンだ。俺は3ポイントを決めることはなかったが(実際には1本だけ成功)、ヤツは俺が好むようにペイント内を支配しているんだ」。
211センチ100キロのアデトクンボは、今季ここまで平均27.3得点12.9リバウンド6.0アシスト1.5スティール1.3ブロックと大車輪の活躍を見せており、フィールドゴール成功率57.7パーセントはキャリアハイのペースと、今季はより精度を増している。
さらに、リム付近のショット成功率で見てみると、8割に迫る79.3パーセントを残している。ガード並みのクイックネスを誇り、221センチと言われるウイングスパン、そして抜群の身体能力を兼備したアデトクンボは、速さと長さ、そして高さを持ち合わせている。
アデトクンボとしては、3ポイントに磨きをかけて、より完璧な選手へと成長している過程なのだが、シャックは3ポイントなしでここまで驚異的な成績を残していることも気に入っているのだろう。
「俺はビッグマンたちに、ジャンパーや3ポインターを打てと励ましたりはしない。インサイドで大きな身体を駆使して支配しろと言いたい。俺は“グリーク・フリーク(ギリシャの奇才/アデトクンボの異名)”へ、スーパーマンという名前を授けるよ」。
バックスは今季、新加入のブルック・ロペスやアーサン・イリヤソバも含めてチーム全体で3ポイントを多用しており、アデトクンボは自身のプレーを思う存分こなすことができている。
12月6日に24歳を迎えるアデトクンボが、今後も選手としてどのように進化していくのか。シャック自身も世界中のバスケットボールファンのように、楽しみにしているに違いない。
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