2019.06.02

「1試合20本のショットを放つことが夢だった」と明かしたカワイ・レナード

ラプターズのエースとして君臨するレナード[写真]=Getty Images
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子どもの頃の夢を実現し、リーグ有数のプレーヤーとして活躍するレナード

 ゴールデンステイト・ウォリアーズとのNBAファイナル第1戦。フランチャイズ史上初出場となったトロント・ラプターズは、118-109で見事な勝利を収めた。

 ラプターズはこの試合、ウォリアーズに約3分半しかリードを許さず、約43分でリードを保持。3連覇を狙う過去2シーズンの覇者を相手に1勝0敗とし、6月3日(現地時間2日)のシリーズ第2戦に臨むこととなる。

 ファイナル初戦で、エースのカワイ・レナードは23得点に8リバウンド5アシストをマーク。パスカル・シアカム(32得点8リバウンド5アシスト2ブロック)がチームトップの得点を挙げたものの、出場時間帯における得失点差では、レナードとカイル・ラウリー(7得点6リバウンド9アシスト)、フレッド・バンブリート(15得点)がゲーム最多タイとなる+11を記録。

 特にレナードは後半にウォリアーズが追い上げを見せる中、ボールを保持してコントロール。ショットまで持ち込むか、ファウルを奪ってフリースローで得点をつなぐなどペースを渡さない働きで王者撃破に貢献。ダブルチームに何度も遭いながら、ターンオーバーを2本に抑えた点も見事だった。

 誰もが認めるラプターズのトッププレーヤーとして活躍を続けるレナードは、自身3度目のファイナルでも物おじせずに堂々とプレー。2日(同1日)に掲載された『ESPN』の記事の中で、レナードはこう語っている。

「自分のためのプレーをコールされる時はすごく楽しいのは間違いないね。僕は子どもの頃に夢見ていた、1試合20本のショットを放つことができているんだからなおさらさ」。

 2011-12シーズンにサンアントニオ・スパーズで新人として加入したレナードは、ティム・ダンカン(元スパーズ)やトニー・パーカー(現シャーロット・ホーネッツ)、マヌ・ジノビリ(元スパーズ)といった百戦錬磨のベテランたちとプレーし、ゲームへのアプローチを学んでいった。

勝負どころを見逃さず、ショットを決め切るレナード[写真]=Getty Images

キャリアを積んでリーグ屈指のプレーヤーへと飛躍、第2戦以降の活躍にも期待

 NBAという世界最高のリーグで、現在のレナードのように1試合20本前後のショットを放つことができる選手は一握りしかいない。チームの命運を託された、まぎれもないエースだからだ。

「ルーキーとしてNBAに入ってきた時、リーグのトップ10プレーヤーにでもならないかぎり、ゲームの中でたくさんボールを持つことやオフェンスをコーディネイトすることはないと思っていたよ」とレナードは言う。

 14年のファイナルでMVPを獲得したレナードは、スパーズでも頭角を現し、エースへと成長。一昨季には平均25.5得点をたたき出し、プレーオフではショットの決定力が増して頼もしいスコアラーへと成長を遂げた。

「子どもの頃、まさか自分がNBAのゲームの中で指揮することになるとは思い描いていなかったよ。でも一度それを経験したら、その役割を楽しんでいるし、経験を積むことで選手として成長していると思う。プレーメイクをして、ダブルチームしているディフェンスの状況を見ながらチームメートたちを見つけようとしているよ」。

レナードはボールをコントロールし、ラプターズのオフェンスをリードしている[写真]=Getty Images

 第3クォーター終盤あたりから、レナードはゲームをコントロールすべく、バックコートからフロントコートへとボールを運び、ディフェンスの陣形を見ながらピック&ロールやドライブ、アイソレーションからいずれかを選択してラプターズのペースへと持ち込んでいる。レナードは決してシュート乱発型のスコアラーではない、

「僕はゲームで勝利できるようにトライしているだけ。もしスコアリングすることだけに特化してプレーしていれば、難しいだろうね。僕は正しいプレーをするようにトライしているんだ。もし(相手チームが)僕に2人のディフェンダーを送り込んできたら、誰かがオープンになるんだから」とレナード。

 ウォリアーズがレナードに対して何度もダブルチームを送り込んできたことで、第1戦ではドライブからのフィニッシュこそ封じられたものの、レナードは意に介していない。

「相手がそういうディフェンスをしてくれば、チームメートたちがステップアップしてショットを決めてくれる。正しいプレーを決め切ることが僕のすべて。フリーになればショットを決めるし、ディフェンスをしていくだけさ」。

 第2戦でも厳しいマークが予想される中、レナードはラプターズの大黒柱として獅子奮迅の活躍を見せてくれることだろう。

ウォリアーズの激しいダブルチームからパスをさばくレナード[写真]=Getty Images

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