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トロント・ラプターズとゴールデンステイト・ウォリアーズによる「NBAファイナル2019」は、6月14日(現地時間13日)にラプターズが第6戦を制し、4勝2敗で幕を下ろした。
3連覇をかけて頂上決戦に臨んだウォリアーズを下し、ラプターズはフランチャイズ史上初となるNBAチャンピオンに輝き、カナダ全体が歓喜に沸いた。
そんな中、3年連続でNBAチャンピオンに輝いた選手がいた。男の名はパトリック・マコー。2016年のドラフト2巡目全体38位でミルウォーキー・バックスから指名された201センチのマコーは、ドラフト当日に現金とのトレードでウォリアーズへ移籍。
16年7月にウォリアーズと複数年契約を結ぶと、昨季までの2シーズンをNBAとGリーグでプレー。ウォリアーズでは主にベンチスタートで平均16分前後に出場して平均4.0得点を記録。プレーオフのロースターに入ったことで2連覇を達成していた。
ところが昨夏、ウォリアーズから提示されたクォリファイングオファーを拒否したことで、マコーは制限なしフリーエージェント(FA)になったのだが、なかなか契約がまとまらず、FAとして今季開幕を迎えることに。
昨年12月31日(同30日)。マコーはようやくクリーブランド・キャバリアーズと複数年契約を結んだのだが、無保証契約だったため、約1週間後の今年1月8日(同7日)に解雇。
そこでマコーはラプターズでプレーすることを選択し、1月11日(同10日)にサイン。新天地でも平均13.2分と、決してプレータイムに恵まれたわけではなかったものの、自身としては3年連続でファイナル進出を果たした。相手は昨季まで2シーズン所属したウォリアーズだったのは、何かの因縁と言っていいのかもしれない。
6月14日(同13日)に『NBC Sports』へ掲載された記事の中で、マコーは「今シーズンはジェットコースターのようだった」と開口一番に語ると、「今、この瞬間にここにいること、以前のチーム、チームメートたち、友人たちと対戦しているというのはすごいこと。ただただすごいことだと思う」と振り返っていた。
マコーは個人的な事情でプレーオフ期間中も一時チームから離脱していたのだが、ファイナルでは戦列復帰。ローテーションから外れていたものの、計4試合に出場して平均3.1分0.8得点0.5アシストをマーク。得点は第1戦で決めた3ポイントのみと、ベンチウォーマーとして大部分を過ごしたものの、ラプターズ優勝により、自身3度目のチャンピオンとなり、ウォリアーズとラプターズで“NBA3連覇”という珍記録を打ち立てた。
マコーはまだ23歳の若手であり、この年齢で3つの優勝を手にする選手はめったにいない。「僕にとって、これは超ビッグなボーナスなんだと思ってる」とマコーが言うのもうなずける。
「相手(ウォリアーズ)は数多くのケガでスローダウンしてしまったけれど、彼らを相手にチャンピオンシップを勝ち取ったことは、僕にとってボーナスなんだ」とマコーはシリーズについて振り返ると、「僕にとって、今は再びプレーする状態へと戻す時なんだ。もっと向上するために、何が必要なのかフォーカスしていくよ」と現状について語っていた。
ウォリアーズ在籍時を含めて、マコーは3年連続でチャンピオンになったのだが、いずれのファイナルでもメインのローテーションに入っていたわけではない。そのため、NBA史上有数の“ラッキーマン”と評されても否定できない部分はある。
マコー自身も、すでに来季以降に向けて気持ちを切り替えている。
「僕にとっては、再出発するいい機会。来季に向けて準備すべく、自分自身を磨いていくよ。できるかぎり、自分にとって正しいステップを踏んでいきたいと思ってる。キャリアをやり直し、選手として自分のことを再構築できるようにしていく」。
はたして、今夏制限なしFAとなるマコーに対して、ラプターズをはじめとするNBAチームからのオファーはあるのか。マコーが今後、どんなキャリアを築いていくのか期待したい。
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