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今シーズン開幕前、2016年から2019年までゴールデンステイト・ウォリアーズに在籍していた絶対的なスコアラーであるケビン・デュラントは、ブルックリン・ネッツへ移籍。そのサインアンドトレードでディアンジェロ・ラッセル(ミネソタ・ティンバーウルブズ)を獲得し、若くてオールスター選出の実績もある選手を、一時的に保持することに成功した。
だが今季のウォリアーズは相次ぐケガ人の続出の影響もあり、戦績は15勝50敗とリーグワーストを記録。成績が低迷していく状況に対し、チームはシーズン中にトレードを積極的に行い、デッドライン前に複数の将来の指名権を獲得。またラッセルをウルブズへ放出し、その見返りにフォワードのアンドリュー・ウィギンスをロースターに加えた。さらに2ウェイ契約を結んでいたダミオン・リーと本契約を結ぶなど、来季に向けて着々と改革を進めてきたのである。
ファイナルに進出し続けた過去5年間と比較して、今季は著しく弱体化を余儀なくされたウォリアーズ。しかしガードであるラッセルを、ポジション的にもチームによりフィットするウィギンスと交換し、またトレードで多くの指名権という将来的な資産を蓄えることに成功。また優勝争いに参加できない今シーズンはラグジュアリータックス回避に動くなど、迅速かつ的確なマネジメントを行ってきた。
『NBC Sports』によれば、ウォリアーズのオーナーであるジョー・レイコブ氏が、今季の球団の政策方針に関して言及したそうだ。「ずいぶんと長い間、我々がチャンスを握っていることは確かなことであり、このアドバンテージを逃さないようにしたい。チャンスを手にし続けることが我々の計画だった。そしてその計画は、来年や数年先のためのものでもある」とコメント。今季のロースター編成に加えて、来季には左膝前十字靭帯断裂の大ケガを負ったクレイ・トンプソンが復帰予定であり、ウォリアーズの完全なるシーズンが期待される。
「しかし多くのことがこの先変化していく可能性がある。このNBAでこの先どんな変化があろうと、ほかの球団がアジャストしなければならないように、我々も対応していかなければならないだろう」と、レイコブ氏は続ける。たとえリーグワーストの成績であろうと、長期的な視点に立ち、改革を行ってきた今シーズン。予測困難な未来に対して、徹底した準備を続けて対応策を練るウォリアーズからは、一流球団の風格が感じられる。果たして近い将来、彼らが王朝第二幕を迎えていくのか、注目していきたい。
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