往年の輝きを放ったカーメロ「ポートランドに自分のホームを見つけることができた」

「俺たちは自分たちのベストなゲームをしようと臨み、試合が進むにつれて成長していくことができた」とレブロンがシリーズを振り返る

　8月30日（現地時間29日、日付は以下同）。ポートランド・トレイルブレイザーズは、ヘッドバンドをつけてロサンゼルス・レイカーズとのプレーオフ ファーストラウンド第5戦に臨んだ。

　この日ブレイザーズやフェニックス・サンズなどでプレーしたビッグマン、クリフォード・ロビンソン（元ブレイザーズほか）が息を引き取り、帰らぬ人となったことで、ブレイザーズはロビンソンのトレードマークだったヘッドバンドを着用して敬意を表し、1勝3敗と崖っぷちの状況を打破すべく、レイカーズ相手に果敢に挑んでいった。

　だがレイカーズはアンソニー・デイビスがゲームハイの43得点に9リバウンド4アシスト、レブロン・ジェームズがトリプルダブル（36得点10リバウンド10アシスト）と超強力タッグが大暴れ。さらにケンテイビアス・コールドウェル・ポープが14得点5アシスト3スティール、ドワイト・ハワードが11得点6リバウンドと続き、最終スコア131－122でブレイザーズを下し、4勝1敗でカンファレンス・セミファイナル進出。

レイカーズはレブロン（左）とデイビス（右）による超強力タッグで2012年以来初のウエスト準決勝へ[写真]=Getty Images

「俺たちはこのシリーズが進んでいくにつれて成長することができた。絶好調なポートランドと対戦することは分かってた。相手はフェニックス（サンズ）と並んでバブル（第二幕の開催地）でベストなバスケットボールをプレーしていた。俺たちはそこで自分たちのベストなゲームをしようと臨み、試合が進むにつれて成長していくことができた。このチームはそれができたんだと俺は信じてる」とレブロンがシリーズを総括した。

　ブレイザーズはデイミアン・リラード（右膝のネンザ）に加えてザック・コリンズ（左足首）、ナシール・リトル（脱水症状）、ウェニエン・ガブリエル（右大腿部腱炎）を欠くなか、CJ・マッカラムがほぼフル出場で36得点6リバウンド7アシスト、ユスフ・ヌルキッチが16得点10リバウンド6アシスト5スティール、ギャリー・トレントJr.が16得点2スティール、アンファニー・サイモンズが13得点5リバウンド4スティールと奮戦。

　そしてキャリア17年目のカーメロ・アンソニーがフィールドゴール成功率56.3パーセント（9／16）、3ポイント成功率75.0パーセント（3／4）、フリースロー成功率85.7パーセント（6／7）という高確率で計27得点に7リバウンドをマークしたものの、最後は力尽きた。

「俺は快適だと感じられる環境を見つけたんだ。自分のままでいさせてくれる、そしてずっとプレーしていたいと思える場所をね」と再契約を希望

　だがカーメロはこの試合で往年の美しいムーブから鮮やかなジャンパーを何度も放り込み、磨かれたスキルを披露。デイビスやレブロンを振り切ってショットを放り込む姿に感情を揺さぶられた方もいたのではないだろうか。

　それは2003年のドラフト同期で、対戦相手のレブロンも感じており、シリーズ終了後に健闘を称え合って抱き合っていた。そしてレブロンは好敵手へ「この舞台に戻ってから、君が見せてくれたことを誇りに思うよ、カーメロ・アンソニー」とツイート。

互いの健闘を称え合ったレブロン（後）とカーメロ（前）[写真]=Getty Images

　ブレイザーズのテリー・ストッツHC（ヘッドコーチ）も「彼をコーチすることができて非常に光栄だと感じている。彼は殿堂入りするほどの選手だからね」と36歳の大ベテランを称えていた。

　昨年11月中旬に今季限りの契約で加入したカーメロは、来季について「俺の考えとしては、来シーズンになったら激しい競争の中でまた戻ってくるつもりだ」と切り出し、「それ（所属先）がポートランドであることを願ってる。俺はポートランドに自分のホームを見つけることができたと思ってる」とブレイザーズとの再契約を希望。

　そして「君たち（メディア陣）も見ただろう。俺がこのチームにどうしてうまくフィットしてるかをね。俺は快適だと感じられる環境を見つけたんだ。自分のままでいさせてくれる、そしてずっとプレーしていたいと思える場所をね」と口にしていた。

　来季の開幕時期も明らかとなっていない中、カーメロがフリーエージェント（FA）として高額契約を結ぶ可能性が低いことは否定できない。だが新たなホームを見つけたカーメロには、是非とも来季もブレイザーズのユニフォームに袖を通してほしいところだ。

自慢のミドルレンジゲームで点を重ねたカーメロ[写真]=Getty Images