2021.05.25

エースの責務…レブロン・ジェームズは今、実質“片足だけ”でプレーしている?

満身創痍の中でプレーオフを戦うレブロン・ジェームズ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ロサンゼルス・レイカーズをけん引するレブロン・ジェームズは、満身創痍のなかでプレーを続けている。

 レイカーズは他チームと比較して、十分な休暇が与えられないまま新シーズンに突入した。とりわけ、プレーオフに進出していないチームと比較すると、オフの日数には約2カ月程度の違いがあった。ゆえに、レブロンは十分な休養を取れておらず、さらには当初予定されていなかったオールスターゲームにまで参加。フィジカルケアに細心の注意を払っているキングと言えど、36歳という年齢的な衰えやストレスフルな社会での生活は、さすがに身体に堪えるに違いない。

 それでもレイカーズは、背番号23の劇的なクラッチシュートによりプレーイントーナメントを勝ち抜き、本戦の出場権を獲得。約615万人が観戦したビッグゲームでの活躍に、誰しもが「レブロンは、やはりレブロンだ」と感じたことだろう。

 しかし、「ESPN」のシニアNBAライターを務めるマーク・J・スピアーズは試合後、これでレイカーズの未来が安泰になったわけではないと警笛を鳴らしている。その要因は、コンディション難を抱えるジェームズへの懸念だ。

「我々は、レブロン・ジェームズを心配する必要がある。彼はポイントガードとしてプレーする予定だった。私は、彼が片足でプレーしていると聞いている」

 確かに、ゴールデンステイト・ウォリアーズとの対戦において、レブロンは局地的なヒーローとなったが、試合をとおして見ると、そのパフォーマンスからは大一番に臨むいつもの風格は感じられなかった。デニス・シュルーダーにゲームコントロールを任せたレブロンは、機動力や躍動感に欠け、脚への負担を考慮してか、シグネチャームーブのひとつであるプロホップムーブ(ギャロップステップ)も影を潜めた。

「USA Daily」のNBAライター、マーク・メディアによると、レイカーズのヘッドコーチを務めるフランク・ボーゲルは「レブロン・ジェームズは完全な状態ではありませんが、彼はそれに近づいている」と語り、キングがベストコンディションに到達していないことを認めている。

 今年3月末の右足首ねんざが尾を引いているのか。それとも、右足首をケアするあまり、他の箇所にも黄色信号が灯っているのか。プレーオフ1回戦の相手は、盟友クリス・ポールを擁する今シーズン好調のフェニックス・サンズ。レブロンはこの窮地をくぐり抜けることができるのだろうか。待ち受けているのは、いばらの道かもしれない。

 文=Meiji

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