2021.06.18
5月24日(現地時間23日、日付は以下同)に行なわれたワシントン・ウィザーズとのプレーオフ ファーストラウンド第1戦。フィラデルフィア・セブンティシクサーズは125-118で勝利を飾った。
だがトバイアス・ハリス(37得点6リバウンド2スティール)とジョエル・エンビード(30得点6リバウンド3アシスト)が高得点をあげたのに対して、オールスターのベン・シモンズはフィールドゴール33.3パーセント(3/9)、フリースロー0.0パーセント(0/6)のわずか6得点と得点が伸びず。
もともと3ポイントを含むアウトサイドシュートやフリースローに難を抱えるシモンズだが、この男の真骨頂はボールプッシュから繰り出すプレーメイクやディフェンスといったプレー。だがシクサーズが前半終了時点でリードを許し、試合終盤に5点差まで追い上げられたこともあり、得点面で多くを期待できないことに批判を浴びることもあった。
といっても、27日に行なわれた第2戦の結果を見ればそれが間違っていたことが分かるはず。211センチの超大型ポイントガードは、チームメートたちとの連係やトランジションから積極果敢にリング下を攻め立ててダンクやレイアップを連発。シクサーズのチームメートたちはシモンズがアタックする際に3選手あるいは4選手が3ポイントエリアへと広がってスペースを作り出し、高さとパワー、スピードを兼備するシモンズがペイントエリアでウィザーズを圧倒したのである。
この日シモンズはエンビードと並んでチームトップタイの22得点に9リバウンド8アシスト2スティール1ブロック。フィールドゴール73.3パーセント(11/15)と暴れ回り、チームも120-95と快勝。
「NBAのプレーオフで1試合15リバウンド15アシストを残すのはものすごく大変だと思う。あれは本当に強烈だったと思った。それに俺たちは勝ったんだ」とシモンズが第2戦終了後に話したように、シリーズ初戦でこの男は6得点に加えて15リバウンド15アシストという見事な数字を残していた。
そして自身に対する得点面におけるネガティブな声や批判に対してこう語った。
「何が欲しいんだ? 勝ちたいんじゃないの? 俺は勝つためにここにいるし、どんなことがあろうと自分のチームが勝利する手助けをすべく、自分に求められていることをやっている。誰かへ間違っているんだと証明するつもりはない。俺は勝利するという自分の仕事をしていく」。
僅差の展開となった初戦、快勝となった第2戦で、シモンズはいずれもチームトップのプレータイムを残しており、出場時間帯における得失点差は2戦連続で+18という好数字を記録。コートの両エンドでインパクトを与えることができるシモンズは、すでにNBA有数のユニークな選手としての地位を確立していると言っていいのではないだろうか。
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