2021.11.29

大きな心境の変化により結果を残す馬場雄大「レジェンズを選んで正解だった」

ここまで8試合すべてに出場し、主力として活躍する馬場雄大
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 11月29日、NBAの下部リーグであるGリーグテキサス・レジェンズで、2年ぶりにプレーする馬場雄大が、日本のメディアへ向けて会見を行った。

 現在レジェンズは、レギュラーシーズン前に行われている、ショーケースカップのリーグ戦を戦っている。6勝2敗と勝ち越しているチームの中で、馬場は8試合すべてに出場し、約31分のプレータイムを得ると、1試合平均12.5得点5.3リバウンド1.9アシスト1.8スティールをマーク。さらに、フィールドゴール成功率54.7パーセント、3ポイント成功率41.2パーセント、フリースロー成功率92.3パーセントと確率でも申し分ない数字を残している。

 シーズン前に行った会見では、「最低でも2ケタの平均得点と25分から30分の出場時間を目指す」と明確に目標を掲げていた馬場だが、ここまでは見事に有言実行している。「すごく良いコンディションでプレーできています」と話す馬場は「コーチが信頼してくれていることが一番自信につながっています。レジェンズを選んで正解だったなと思います」と現在の心境を語った。

「すべてのスキルを磨いていきたい」と話すなど、いぜんとして高いモチベーションを保っている馬場は、現在は利き手ではない左手を含む、左半身の強化に取り組んでいるという。筋力アップやバスケットのプレーだけではなく、歯を磨くなど日常生活から左手を使うなど、日々新たな挑戦を繰り返し、自身を高めている。

海外挑戦3年目での大きな心境の変化

 
 2年前に比べて大きく成長を見せている馬場は、シーズン開幕前と現在では心境に変化があったと明かした。

「シーズン前はどうやってNBA選手になるかをずっと考えていたんですけど、今はレジェンズでプレーするのが楽しいという気持ちもあります。もちろん、NBAにコールアップされたらうれしいですけど、今ある環境を楽しみながらやれていて、そこに執着しすぎずにやれているのはいいことだと思います」

 一見すると、Gリーグでの現状に満足し、NBAへの思いが薄れたように受け取ることもできる。しかし、話を聞いていくとそうではないことが分かった。

NBA選手になりたいと執着しすぎることによって、試合で活躍しなければいけないというプレッシャーを自分にかけることになります。それにより一瞬の判断など、普段通りのプレーができなくなることがあるなと思い始めました。今の状況に満足してプレーすることが、自分の最大限の可能性を一番引き出せる要素なのかなと考え、今自分がコントロールできることを意識しています」

 馬場は自身のベストなパフォーマンスを発揮するために、不必要な焦りを排除してバスケットへ取り組むことを意識している。彼がここまで肩の力を抜くことができたのは、これまで積んできた海外での経験が大きいという。「海外挑戦1、2年目は環境に苦しんだことを考えると、今はバスケットのことだけに集中できているので、成長を感じます」と話す馬場は、本当の意味で異国の地・アメリカのリーグである「NBA」を目指すスタートラインに立つことができたのかもしれない。

 現在は「チームメートやコーチに恵まれている」と話し、チームバスケットを楽しみながらプレーできている馬場だが、2年前は違った。プレータイムも少なく、NBAを目指す我の強い選手たちが集まったリーグでは、パスが回ってこないことも当たり前の厳しい状況だった。

「あのときの悔しい思いがなかったら今の自分はないと思います。すべてのプロセスがあって今があると思うので、すごく大変でしたけど頑張って良かったなと。これからもっと上のレベルに行くのに大変なこともあると思うんですけど、あのときの思いを忘れずに頑張っていきたいです」

 数多の経験を積んだ馬場は、NBAという「未来」への執着を抑え、Gリーグでの「今」に集中することで、自身のベストパフォーマンスを発揮しつつある。「自分のプレーを心がければ自然と結果がついてくる」と語る馬場は、これまでとは大きく違った心境でNBAへの道を目指す。

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