2022.02.23
ついに長い沈黙からコートに姿を現したカイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)。試合勘が戻るにはもうしばらく時間を要すだろうが、天才的なハンドリングとリングへと向かうオフェンスビジョンはリーグでも指折りで、復帰戦となったインディアナ・ペイサーズ戦とポートランド・ブレイザーズ戦ではそれぞれ22得点をマークした。
ケビン・デュラントとジェームズ・ハーデンにアービングを加えたブルックリン・ネッツの破壊力は、驚異的だ。しかし、アービングはニューヨーク市が新型コロナウイルスのワクチン接種を義務づけていることから、ホームゲームに出場できない状況が続いている。
同市の条例は、世界的なパンデミックによる市内のダメージと医療現場の逼迫を抑制するためのもの。また、同紙もワクチンの科学的な安全性を主張し、地域社会へ個人の健康的責任を発信できるという理由から、アービングにワクチン接種を推奨している。
それでも経済的にも無傷に近い“裏技”が可能なのであれば、ネッツは喜んでカイリーのために罰金を支払うだろう。だが、『ESPN』いわくNBAは各球団に本拠地を置く地域の法律に従わない選手はプレーできない旨を伝えており、リーグがカイリーの復帰を認める可能性は低いとの見解が強い。
To be clear on the hypothetical ability for a team to pay a fine for an unvaccinated player to play in a marketplace that local ordinances forbid: NBA memo to organizations on September 1 says that teams must follow local laws and players who don't comply won't be able to play.
— Adrian Wojnarowski (@wojespn) January 13, 2022
この報道の本意はカイリーの復帰ではなく、リーグと条例の矛盾や抜け道を指摘するものかもしれない。同紙によれば、ニュージャージー州に住むアービングはニューヨークのプロスポーツ球団に所属しているため、ブルックリンで開催されるホームゲームに出場できない。しかし、他州の球団に所属する非ワクチン接種プレーヤーは、所属球団のためにバークレイズ・センターでの試合に出場が可能だという。
また、ロサンゼルスやボストンといった大都市はNBA選手の接種を免除しているほか、ジョンソン・エンド・ジョンソンが提供するワクチンは接種から2カ月後の再接種が推奨されているにもかかわらず、現在、バークレイズ・センターやマディソン・スクエア・ガーデンのファンの大部分がマスクを着用せず、ビールを片手に「ディフェンス」の大合唱をしている。
“罰金を支払えば出場が可能”というのはある意味、ニューヨーク市の条例に則っているとも取れる。果たして、カイリーが今シーズンホームの観衆の前でプレーする日は来るのだろうか。
文=Meiji
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