2022.02.23

ネッツGMが新加入のベン・シモンズに期待「彼は攻防両面で万能性を持ち込んでくれる」

オールスター明けの復帰が期待されているデュラント(左)とシモンズ(右)[写真]=Getty Images
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 2月25日(現地時間24日、日付は以下同)から幕を開けるレギュラーシーズン後半戦で、プレーオフならびにプレーイン・トーナメント進出をかけた激しい戦いが展開されることとなる。

 特にイースタン・カンファレンスでは1位タイのマイアミ・ヒート、シカゴ・ブルズ(ともに38勝21敗)から7位のトロント・ラプターズ(32勝25敗)まで7チームが5.0ゲーム差以内でひしめく大混戦であり、プレーオフのシード順は4月中旬の最終戦までもつれる様相となっている。

 そして不気味なのがブルックリン・ネッツ。現時点ではイースト8位の31勝28敗で、7位のラプターズと2.0ゲーム離れているのだが、オールスターブレイク明けにケビン・デュラント、そして11日のトレードデッドラインで獲得したベン・シモンズが戦列へ加わることが期待されているからだ。

 ネッツは今季平均29.3得点7.4リバウンド5.8アシストを記録するデュラントが左膝を痛めて戦線離脱し、同24.1得点4.8リバウンド5.4アシスト1.1スティールを残すカイリー・アービングが新型コロナウイルスのワクチン未接種のため一部のアウェイゲームにしか出場できないものの、シモンズと共に獲得した新加入選手たちが活躍している。

 セス・カリーは3試合の出場で平均18.3得点4.0リバウンド5.0アシストに3ポイント成功率52.2パーセント(平均4.0本成功)、アンドレ・ドラモンドも同9.3得点12.3リバウンド2.3アシスト1.3スティールと、いずれもスターターとして存在感を示している。さらに、このチームはサンアントニオ・スパーズとの契約バイアウトが成立し、ウェイブ(放出)された末に制限なしフリーエージェント(FA)となったゴラン・ドラギッチというベテランガードも獲得したことで、机上の戦力はさらに増している。

 23日に『NBA.com』へ掲載された記事の中で、ショーン・マークスGM(ゼネラルマネージャー)は今季チームに期待していることについて「チャンピオンシップだ」と語っており、シモンズが入ることで生まれるメリットについて「彼が持つ万能性だ。私は彼の万能性について繰り返し言っている。彼はオフェンスとディフェンスの両面で万能性を持ち込んでくれる」と話していた。

 シモンズは昨季までのキャリア4シーズンで3ポイント成功率14.7パーセント、フリースロー成功率でも59.7パーセントに過ぎず、昨季のプレーオフではフリースロー成功率34.2パーセントと壊滅的に終わっていた。

 それでも、マークスGMは211センチ108キロとビッグマン顔負けの体格を誇る超大型ポイントガードに大きな期待を寄せている。

「相手チームにとっては悪夢のマッチアップになるだろう。彼(シモンズ)はすでにそれを証明してきた。そしてケビンの負担を軽減してくれるさ。カイリーにもこれまでとは異なる状況をもたらすだろう。彼ら(デュラントとカイリー)が毎回ボールを持つ必要がなくなるからだ。そしてベンは彼らと一緒にフロアを走り切ることだってできる。彼は見事な速さでフロアを駆け抜けることができるんだ。それを我々が断続的に相手に対してできれば、(シモンズ獲得は)このチームにとってプラスだと証明できると思うね」。

 アウトサイドショットに難があるシモンズだが、ネッツにはデュラント、カイリー、カリーだけでなくパティ・ミルズジョー・ハリス(現在はケガのため離脱中)といった有能なシューター陣がおり、彼らがフロアのスペースを広げることでペイントエリアへアタックできるチャンスが広がることが予想できる。相手選手たちに囲まれればキックアウトすることも可能なだけに、シモンズがサイズのミスマッチを突いて得意とするペイントエリアで暴れるシーンも見られるだろう。

 そしてシモンズが昨季まで2シーズン連続でオールディフェンシブファーストチームに選ばれていたことも見逃せない。ポイントガードからセンターまで、全てのポジションをガード可能なディフェンス力を持つ男がコンディションを取り戻してコートへ立てば、ネッツにとって間違いなく強力な駒となる。

 デュラント、カイリーらと共にコートへ立ち、シモンズが強烈なダンクやディフェンスでビッグプレーを決めて雄叫びを上げることとなれば、イーストの順位表は一変し、プレーオフでも一躍優勝候補へ浮上したとしても決しておかしくはないだろう。

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