2022.01.24

イングラムとハートがルーキーの地元凱旋試合を祝してチケット20枚をプレゼント

今季ペリカンズに加入したアルバラードに先輩がプレゼント[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 スポーツの世界では、紳士的な行動に多方面から賛辞が送られる。それには試合中での振る舞いに限らず、コート外での行いも含まれる。チームメートとの絆もNBAを象徴する美しさのひとつだろう。

 今年、ドラフト外からニューオーリンズ・ペリカンズに加入したルーキーのホセ・アルバラードは、クリス・ボッシュやステフォン・マーブリーらを輩出した名門ジョージア工科大学出身のポイントガードだ。生まれは、ニューヨーク市ブルックリン区。そのアルバラードは先日、ニューヨーク・ニックスおよびブルックリン・ネッツとの対戦でプロデビュー後初めて、地元でプレーする機会を得た。

 ニューヨーク出身の選手にとって、プロとしてマディソン・スクエア・ガーデンやバークレイズ・センターに立つことは特別な意味を持つ。それは、彼を育てた家族たちにも同様だ。

『Legion Hoops』によると、ペリカンズのブランドン・イングラムジョシュ・ハートは、そんなアルバラードの記念すべき試合を彼の大切な人たちに目撃してもらうべく、アルバラードの家族・友人のために20枚のチケットを購入し、プレゼントしたという。このチームの若手を思うイングラムとハートのホスピタリティに対して、SNSでは賞賛の声が相次いだ。

 ペリカンズはネッツとの一戦を落としたものの、続くニックスとのゲームではアルバラードがキャリアハイの13得点をマーク。さらに、同選手はこの試合で4アシスト4スティールを記録し、地元での勝利に貢献してみせた。

 試合後のインタビューで、アルバラードは特別な一夜をこう振り返っている。

「言葉にならないですね。僕のジャージを着た両親をはじめ、僕を見に来てくれた皆の姿を見ただけで感動しました。5年前にこのようなことが起こると言われても、信じられなかったと思います。夢が叶ったんです。僕はガーデンにいて、勝利し、インタビューを受けて、すぐそこには大切な仲間がいます。本当に幸せです」

 また、イングラムはアルバラードの弟にジャージをプレゼントした模様。ペリカンズのルーキーは、チームの先輩たちが示してくれた素晴らしいチームメートシップについても感謝を述べている。

「まるで兄弟ですよ。彼らは僕と家族のためにチケットを購入してくれました。ただのチームメートではなく、最高のチームメートです。僕のためにしてくれた彼らの行いすべてに感謝しなくてはいけません。僕の弟にはジャージをプレゼントしてくれたのですが、あいつは彼(イングラム)の大ファンなんです。彼らは僕のために尽くしてくれました。信じられないですよね。僕をここで泣かせたいのかもしれません」

 ペリカンズは、複数の選手が安全衛生上の問題や負傷で欠場しているため、2ウェイ契約のアルバラードは現在、チームの貴重なロスターとして重要な役割を任されている。そして、アルバラードはこのチャンスに日ごろから備えきたようで、『The Rookie Wire』によれば、同選手は今シーズン誰よりも早くジムに来て、練習後は最後に練習場を後にすることが多く、この姿勢がチームメートの心に響いているという。

 ハートは、そんな真摯な若手に対して最大限の賛辞を送っている。

「彼は本当に素晴らしい人間だよ。喜びと愛情に満ち溢れている。僕はこれこそ、彼の最大の特徴だと思っている。僕らはそれを目の当たりにしてきたんだ。もちろん、ひたむきに努力してきた姿もね。彼のような人にはバスケットボールだけではなく、人生でも常に最高の結果を出してもらいたい。コートに立っている時の彼に、僕たちは全面的に自信と信頼を寄せている。ベンチからエネルギーと閃きを提供してくれる彼は、今後も貴重な存在になるだろうね」

 現在のNBAには、ドラフト外から大成した選手も少なくない。きっと、アルバラードも数年後にはペリカンズにとって、かけがえのない選手に成長していることだろう。

 文=Meiji

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