2022.02.10
1月26日(現地時間25日、日付は以下同)に行なわれたロサンゼルス・クリッパーズとワシントン・ウィザーズによる一戦は、前半残り1分20秒にブラッドリー・ビールがフリースロー2本を沈めて66-31と、ホームのウィザーズが35点もリード。
第3クォーター残り10分56秒にカイル・クーズマのレイアップが決まり、ウィザーズはその時点でも30点差をつけており、順調にいけば主力を休ませられるリードを手にしていた。
ところが、アウェイのクリッパーズは徐々に点差を縮めていき、17点ビハインドでこのクォーターを終えると、続く第4クォーターでも猛追し、残り18.9秒にアミア・コフィーのダンクで5点差まで詰め寄る。
ウィザーズは次のポゼッションでクーズマが2本目のフリースローを落とし、クリッパーズはタイムアウト後にルーク・ケナードがディープスリーを射抜いて3点差。
するとタイムアウトを挟んで迎えたスローインで、なんとウィザーズは痛恨の5秒バイオレーション。そして最後のチャンスでケナードが残り1.9秒にビールのファウルを受けながら4ポイントプレーを完遂し、なんと116-115でクリッパーズが大逆転勝利。
『ESPN Stats & Info』によると、25日終了時点で、ここ20シーズンのうち残り20秒以内で7点差以上のビハインドという展開で勝利を飾ったのは2014年1月3日のクリーブランド・キャバリアーズ(対オーランド・マジック)のみで、1万6239分の1、確率にして0.000062パーセントだった。そしてプレーバイプレーが導入された1996-97シーズン以降で、35点差からの勝利は96年にユタ・ジャズがデンバー・ナゲッツ戦で見せた36点差に次いでNBA史上2番目タイの大逆転劇に。
しかもクリッパーズはカワイ・レナード、ポール・ジョージという2枚看板をケガで欠きながら、今月に入って12日のナゲッツ戦で最大25点ビハインド、22日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で最大24点ビハインドを覆して逆転勝利を収めているのだから驚異的としか言いようがない。
「なんで僕らがあれをやり続けているのかって? 僕には分からないね。それにもうこれ以上、そうなってほしくない。クレイジーだった」。
この試合で残り約9秒で7得点をマークしたケナードが試合後に話したとおり、ここまで大逆転劇を連発するチームは珍しい。
なお、ウィザーズ戦ではコフィーがキャリアハイの29得点に5リバウンド2スティール、ケナードが25得点8リバウンド6アシスト、テレンス・マンが16得点5リバウンド3スティール、アイザイア・ハーテンスタインが16得点5リバウンド6アシストを記録。
殊勲の働きを見せたコフィーが語った「自分が出場した試合で、たぶん一番クレイジーなゲームだ。1月はワイルドだね。いつゲームが終わるかなんて、誰にも分からないのさ。ブザーが鳴るまでプレーしなきゃいけないんだ。今夜のように、なんだって起こり得るのさ」という言葉は、この試合に出場したクリッパーズの選手たち全員の思いを代弁していると言っていいだろう。
一方、一時はイースタン・カンファレンス首位にも立っていたウィザーズは、4連敗で同10位の23勝25敗に転落。「何も言うことはない。恥ずかしい以外にない」と口にしたビールは「僕らは何を成し遂げようとしているんだ? どんなチームになろうとしているんだ? ユニットとして、僕はそれを皆に問いたい」と屈辱の大逆転負けを悔やんでいた。
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