2022.08.05
ここ8年間で6度目のNBAファイナルとなったゴールデンステイト・ウォリアーズは、ボストン・セルティックス相手に第4、5戦を制して3勝2敗と王手をかけ、2018年以来となるNBAチャンピオンまであと1勝とした。
プレーオフのシリーズは、ファイナルも同様に先に王手をかけたチームが有利なのだが、もう1勝しなければ王座を獲得することはできない。
「相手にとどめを刺すことは、おそらく最も難しいゲームになるだろう」とアンドレ・イグダーラが6月16日(現地時間15日、日付は以下同)のメディア対応で口にしたとおり、シリーズに決着をつける試合は王手をかけているチームにとっても難しいこと。
特に今プレーオフのウォリアーズはシリーズ突破に王手をかけた翌戦で3戦全敗を喫している。デンバー・ナゲッツとのファーストラウンドでは3勝0敗で迎えた第4戦に惜敗、メンフィス・グリズリーズとのカンファレンス・セミファイナルでは3勝1敗で迎えた第5戦で大敗、ダラス・マーベリックスとのカンファレンス・ファイナルでも3連勝で一気に王手をかけるも第4戦を落としている。
「僕らは(セルティックスが)死に物狂いで向かってくることは分かっている。だからチームとしてそれにマッチする、あるいは上回るようにしなきゃいけない。今シーズンの中で見せてきた最高の努力の成果を持ち込んでいく」。
クレイ・トンプソンはそう語るも、今プレーオフのここまでのデータを見ると不安が脳裏をよぎってしまうかもしれない。というのも、王手をかけて敗れた3戦で、ウォリアーズは相手に3ポイント成功率46.1パーセント(53/115)も許しているからだ。
第5戦で試合開始から長距離砲を12本連続でミスし、そこから8本連続成功と、一夜にしてNBAファイナルにおける新記録を2つも樹立したセルティックスは、ここまででNBAプレーオフ新記録となる317本もの長距離砲を決めているだけに、ホームのTDガーデンに戻って試合序盤から決まり続けるかもしれない。
しかも、これまでのシリーズとは異なり、セルティックスとのファイナルではあと1敗すれば逆王手をかけられ、運命の第7戦に突入することとなるため、何が起こっても不思議ではない第7戦ではなく、17日の第6戦で決着をつけておきたいところ。
「僕らは自分たちがどうやってゲームプランにそってフィジカル面でアプローチしていく必要があるのか、その詳細は理解している。このチームのゲームプランは第5戦から第6戦へアジャストしていくことであって、あのビル(敵地のTDガーデン)がどんな雰囲気になるか、そこのエナジーについても分かっているし、準備していく」。
ステフィン・カリーはアウェイで戦うシリーズ第6戦についてそう話しており、「最終的にはコートに立ったらその瞬間にいるようにしなきゃいけない」と話していた。
「できるだけいなきゃいけない。勝つか負けるかの結果を気にしてはいけないんだ。自分たちの機会というのは48分間(レギュレーションの12分×4クォーター)しかない。もっと言えば、うまく言いくるめてでもその場にい続けること。それがその状況で僕にできるベストな助言さ。なぜって、それ(王手をかけて臨む試合)はたぶんキャリアの中でも一番難しい試合になるからなんだ」。
第5戦で3ポイント9本をいずれもミスしていたカリー。だがゲームハイの8アシストを残して勝利に貢献しており、第6戦でも徹底マークに遭うことは容易に想像できる。
そうした極限の状況のなか、ウォリアーズは次戦で勝ち切ることができるのか。TDガーデンの盛大なブーイングやセルティックスへの大歓声に飲み込まれず、自分たちのプレーを着実に遂行したいところだ。
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