2022.07.18

レブロンが11年ぶりにプロアマの頂点ドリューリーグに登場…42得点の大暴れ

レブロンは42得点16リバウンドのモンスタースタッツをマーク [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、自身のキャリアに泥を塗った2021−22年シーズンの悔しさを払拭するべく、来季はキャリアの集大成として持てる最大限のエナジーを発揮するだろう。

 そうともなれば、オフの過ごし方も当然変わってくる。完璧なプロフェッショナルとしてコンディションとモチベーション向上の術を熟知しているキングは、そこに新たなカンフル剤を注入するべく、国内外から実力者が集結する米プロアマリーグの頂点「ドリューリーグ」に参加した。

ドリューリーグ」は、1973年に教職のアルビン・ウィルスが設立。当初は僅か6チームのみの参加だったが、NBAがロックアウトを余儀なくされた2011年、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)やケビン・デュラントブルックリン・ネッツ)が参加したことで知名度が飛躍的に向上。以降、ポール・ジョージロサンゼルス・クリッパーズ)やジェームズ・ハーデンフィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、トレイ・ヤングアトランタ・ホークス)を筆頭に、毎年スター選手たちがキング・ドリュー・マグネット高校の体育館でアマチュアトップクラスとしのぎを削っている。

 レブロンが「ドリューリーグ」に参加するのは、2011年以来のこと。NBAの歴代最高傑作が地元の体育館でプレーするという噂を聞きつけて、1300人収容の会場には早朝から2500人のファンが詰めかけたという。

 オハイオ出身のスターはこの日、MMVチーターズの一員としてプレー。地元出身として精力的に「ドリューリーグ」に参戦しているデマー・デローザンシカゴ・ブルズ)と共に、超強力デュオを結成した。

 無論、全米屈指の手練れが揃うリーグとは言え、キングを止める術はない。レブロンは得意のフェイダウェイジャンパーやバックボードアリウープなどで派手な得点を量産し、最終的には42得点16リバウンドのモンスタースタッツでチームの勝利に貢献している(なお、デローザンは30得点14リバウンド)。

 レブロンは昨夏、Twitterで最もバスケットボールをするのに最適なプロアマリーグについての質問を投稿し、世間を賑わせた。もちろん、最高レベルにある「ドリューリーグ」への再登場も広く噂されたが、新型コロナウイルスの大流行や、それに伴うNBAスケジュール変更と疲労の蓄積など、様々な理由を加味しても実際に参戦に踏み切ることはなかった。

 ロサンゼルスの球団に所属する選手が「ドリューリーグ」でプレーすることは、地元ファンにとっても特別な意味がある。リーグのコミッショナーを務めるチャニエル・スマイリーは、満を持してのキングの参戦に大変な喜びを覚えている。

「彼がオハイオで何をやっているかは知っています。でも、彼はロサンゼルスにおり、ここで税金を払っている。そして、彼のファンはロサンゼルスにいる彼を愛しているんです。ジェームズはレイカーズでプレーして、家族と共にロサンゼルスに住み、息子は学校へ通っています」

「彼はきっと『それにもかかわらず、ドリューに足を踏み入れないのは、どうなんだろう?』と思っていたのでしょう。だから、彼は証明したのです。『よし! 今こそ俺がファンと共にここにいることを示すときだ。もっと距離を縮めよう。俺はクールな男なんだ』とね。これが事実かはさておき、彼は間違いなくここでプレーし、ファンに愛を示しました。それが何よりも嬉しかったです」

 全ては自身のキャリアと、ロサンゼルスのコミュニティのために。キングの勇姿を目撃した人は、生涯忘れられない経験となったに違いない。

文=Meiji

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