2023.03.22
キャリア11年目のデイミアン・リラードは、ポートランド・トレイルブレイザーズ一筋でプレーを続けており、今シーズンは2月28日(現地時間27日、日付は以下同)を終えた時点でキャリアハイの平均32.3得点に4.3リバウンド7.2アシスト、3ポイントシュートは成功率38.1パーセント、平均4.3本成功と、驚異的な成績を残している。
27日のヒューストン・ロケッツ戦では、いずれもフランチャイズ新記録となる71得点に3ポイントシュート13本成功の超絶パフォーマンスを披露。71得点はドノバン・ミッチェル(クリーブランド・キャバリアーズ)と並んで今シーズンのリーグ最多得点記録タイ、13本の長距離砲成功はザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)と並ぶ歴代2位タイとなった。
32歳のベテランガードは、2013年に新人王、2020年夏にはシーディングゲームMVP、2021年にチームメート・オブ・ザ・イヤー、2022年にはNBAの75周年記念チームに名を連ねたほか、オールスターに7度、オールNBAチームに6度選ばれてきた。
ただし、通算8度出場したプレーオフでは2019年にカンファレンス・ファイナルへ進出したものの、ウェスタン・カンファレンスを勝ち上がったことはなく、リーグ制覇はまだできていない。
28日に『ESPN』へ公開された記事のなかで、リラードは「チャンピオンシップを勝ち取っていないと、人はみなその選手がキャリアのなかで成し遂げてきたことを低く評価してしまう」と話していた。
「俺は11年間続けてやってきた。どれだけの時間を費やしてきたことか。俺たちはたくさんの試合に勝ってきた。すごいパフォーマンスもしてきた。それに、俺はその期間で誰よりも多く、出場可能な状態を維持してきた」
リラードは昨シーズンこそ腹部のケガのため29試合のみの出場に終わったものの、そのほかのシーズンでは長期離脱もなく、ほぼ毎試合コートへ立って戦い続けてきた。
その過程でクライド・ドレクスラー(元ブレイザーズほか)を抜いて球団最多得点へ到達したほか、“デイム・タイム”と評されるクラッチプレーを数多く決め切り、ブレイザーズを勝利へと導いてきたことは間違いない。
「俺はこの組織とこのチームの代表を務めてきた。そこで興奮をもたらし、数々の勝利を飾り、プレーオフの経験を積ませてきた」とリラードが話したとおり、これまでのキャリアでやってきたことはフランチャイズプレーヤーとして素晴らしい実績と言えるだろう。
だが優勝していないことをリラード本人も強く意識していた。
「俺が唯一成し遂げていないことは王座獲得なんだ。それで人は十分な称賛をしていないんだと思っている。俺たちは『どれだけ多くのリングを手に入れた?』、『そうか。この人は(1度も)勝てなかったのか』という時代にいる。だからこそ、俺はなんとしてでも1度は勝ちたいんだ。チャンピオンシップを勝ち取っていないことを理由に、人は評判を悪くしてしまうと思っているからなんだ」
ブレイザーズは28日を終えた時点でウェスト11位の29勝31敗。プレーイン・トーナメント進出への道が途絶えたわけではないものの、今シーズンの優勝候補にブレイザーズを挙げる識者は皆無に等しい。
それでも、リラードはブレイザーズという球団を代表する男として、これから先も王座獲得を目指して戦い続ける。
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