2021.08.26
「スペシャルな気分。俺たちははじめから逆境に立たされ、短期間のトレーニングキャンプをやってきた。全てが早く進んでいったんだ。俺たちにはFIBA(の国際大会)における経験も多くはなかった。大勢の人たちが俺たちに対していろんなことを言っていたし、俺たちは小さな問題がいくつかあった。でも俺たちはチームとして我慢を続けて練習を積み重ねてきた。一丸となって究極のゴール(金メダル獲得)のためにやってきた。今俺たちは金メダリストになったんだ。最高の気分だし、この場にいられて光栄だ」。
アメリカ代表の一員として東京オリンピックに出場し、見事金メダルを手にしたデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)は、フランスとの決勝戦に87-82で勝利後にそう語り、自身初の国際大会をそう振り返っていた。
エキシビジョンゲームで2ケタ得点を連発し、イラン代表戦で21得点をマークして得点源となっていたリラードだったが、大会が進むにつれてドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)にプレータイムを奪われる形に。
大会平均でフィールドゴール成功率38.3パーセント、3ポイント成功率34.8パーセントと、リラードは持ち前のシュート力を存分に発揮したとは言い切れない。『The Athletic』はリラードが大会中に腹部を痛めながらプレーを続けていたと報じており、そのケガの影響もあったのだろう。
だがフランスとの決勝戦では第4クォーター中盤に3点差まで詰め寄られた場面で追加点をあげたほか、右コーナーからキャッチ&シュートを沈めるなど計11得点3アシストをマーク。ルーズボールダイブを見せるなど、身体を犠牲にしてチームのために戦い抜いた。
今回のオリンピックで得た経験について、リラードはこう語る。
「俺はこれまでのキャリアで、数多くの成功を手にしてきたと感じている。でもこのチームの一員となり、NBAというリーグのベストプレーヤーたちとプレーできたこと、そして一丸となって(優勝を)成し遂げたことは特別なものだ。選手なら誰でも、いつだって最高のレベルで勝ちたいものさ。NBAであれば、それはチャンピオンシップを意味する。それは多くの人たちが手にすることができないものなんだ。オリンピックで競い合い、金メダルを勝ち取ることも、多くの選手ができることじゃない。だからここへ来て、初めてのオリンピックで金メダルを勝ち取ったことは特別なものなんだ。俺にとってはプロフェッショナルな世界で勝ち取った初めての経験だから、最高の気分だね」。
リラードは昨季終了後、トレードのウワサが広まり、ネガティブな情報が拡散されるなど辛いことも経験してきた。再びブレイザーズへと戻り、まずは腹部のケガを検査し、10月中旬に開幕する今季に向けて準備を進めてほしいところだ。
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