2021.08.03
「俺たちは個人としてより自由になって臨んだ。普段打っているショットを放ったんだ。今日はそれがことごとく決まった。それにガードも堅かったから、良いステップになった」。
アメリカ代表のケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)は、7月28日に行なわれたイラン戦に120-66で大勝後にそう語り、東京オリンピック グループラウンドで初勝利をつかんだ。
25日のフランス代表戦を76-83で落としたアメリカは、この試合でスターターを変更。デュラント、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)の3選手はそのままに、ドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)というファイナル出場組を先発起用。
フランス戦でファウルトラブルに陥ったデュラントが「俺からすれば、これは決めたか落としたかというゲームであり、第4クォーターの試合終盤に決めるべきショットを落としてしまっただけ。でも次の試合では良くなっていくと思う」と話していたように、この試合では序盤からショットが好調。開始約6分半に2ケタ点差をつけると、アメリカはその後もリードを広げていき、60-30で折り返すと、第3クォーターに入っても怒濤の攻撃が続き、さらに点差を拡大し、終わってみれば54点差と圧巻のスコアリングショーを披露してみせた。
アメリカは所属チームでエース格を務める選手たちが互いにより良いショットを繰り出すためにボールムーブし、エキストラパスもいくつかとおして選手たち1人1人が本来のリズムでショットを放ち、それが面白いようにリングをくぐり抜けた。
特に「デイムが俺たちに火をつけてくれた。これからも前へ進むためにはそれが必要となるだろうね」とデュラントが絶賛したように、リラードが前半だけで6本の3ポイントを放り込み、試合全体で3ポイント53.8パーセント(7/13)の21得点に5アシストでけん引。
さらにブッカーが16得点、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)が14得点4リバウンド、ザック・ラヴィーン(シカゴ・ブルズ)が13得点4リバウンド8アシスト、デュラントが10得点5リバウンド5アシスト2スティール3ブロックとオールラウンドな働き。
全12選手が4得点以上をマークする猛攻を見せたアメリカは、チーム全体でフィールドゴール55.3パーセント(42/76)、3ポイント48.7パーセント(19/39)をマークしたほか、34本ものアシストを積み上げた。
「俺たちのケミストリーは初日からすごく良くなっている。皆がこのチームでプレーすることを決断したんだ。この代表チームでね。でも俺たちは当初、アンセルフィッシュになりすぎていて、それぞれのプレーエリアを邪魔しないようにしていたんだと思う。それがちょっと自分たちを抑え込んでいたのかもしれない。でも今日の試合では皆が超アグレッシブにコートへ出て、自分たちのショットを繰り出そうとしていた」。
デュラントはこの試合をそう総括しており、アメリカはフランス戦の敗北を糧にポジティブに切り替えることができたと言っていいだろう。
1勝1敗としたアメリカは、31日にトーマス・サトランスキー(ブルズ)擁するチェコ共和国とのグリープリーグ最終戦に臨むこととなる。
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