2023.03.13

アイザイア・トーマスがNBA復帰を示唆「僕の電話に何か連絡があるかもね」

直近ではホーネッツに在籍したアイザイア・トーマス [写真]=Getty Images
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 NBAは激動の冬のマーケットを終え、レギュラーシーズンの佳境に突入。今後はプレーオフ、プレーイン・トーナメント圏内を巡って、熾烈な争いが繰り広げられる。しかし、NBAにはまだロスターに空きがある球団も少なくなく、今後はケガなどの不測の事態によって、早急な補強が求められる瞬間も訪れるだろう。

 こうした状況下において、フリーエージェント(FA)の選手たちは“緊急招集”されてもすぐにコートに立てるよう、トレーニングを続けている。もちろん、アイザイア・トーマスも例に漏れることなく、復帰を目標にハードワークを継続する選手の1人だ。トーマスについては、ボストン・セルティックスでの驚異的なパフォーマンスが今も人々の脳裏に焼きついて離れない一方、近年は居場所を見つけられずにおり、短期契約と打ち切りの連続で厳しい状況が続いている。

 だが、小兵の姿を再びコートで見られる日は近いかもしれない。トーマスは『heavy』の取材で、再びコートでプレーする可能性を示唆した。

「コツコツと練習を続け、準備を続けているよ。近いうちに、僕の電話に何か連絡があるかもね。僕は家族を大切にしながら、ジムに通っている。この状況でもできるだけ前向きでいるようにしている。NBAでプレーしたい気持ちに変わりはないから、その可能性があるうちは働き続けるつもりさ」

 トーマスは昨シーズン、ロサンゼルス・レイカーズ、ダラス・マーベリックス、シャーロット・ホーネッツの3チームでプレー。1試合平均出場時間は15.1分と、お世辞にも十分なプレータイムは確保できなかったが、リズムをつかめず、チームケミストリーにも馴染めない状況下での1試合平均8.4得点は類稀な得点センスの表れだろう。直近最後のゲームとなった2022年4月12日(現地時間11日)のワシントン・ウィザーズ戦でも、わずか12分の出場で14得点、フィールドゴール成功率62.5パーセントをマークしており、ベンチ得点に伸び悩む球団にとっては未だ獲得を検討するに値するプレーヤーだ。

 腐ることなく、努力と継続を惜しまないトーマスは、2時間から3時間の基礎的なトレーニングを1日2回行っているという。そして、コートに舞い戻るべく、球団と頻繁にコミュニケーションを取っていることを明かした。

「ここ数週間で、2つのチームと会話をしてきた。うまくいけば、彼らは今週末か、来週初めまでに決定を下すんじゃないかな。ただ、僕は毎月、チームと連絡を取り合っている。僕の近況はこんな感じで、まもなく進展がありそうなんだ。僕の加入を心から望むチームを見つけて、僕はどのような状況でも助けるだけだ。代理人はこのことを理解してくれている。海外からたくさんの関心を抱いてもらっているけれど、今はそれについては考えたくない。僕の究極の目標は、NBAのジャージを手にすること。それだけなんだ」

目覚ましい活躍を見せたボストン・セルティックス時代 [写真]=Getty Images

 貢献できるのは、得点面だけではない。トーマスが様々な球団を渡り歩くなかで培った経験と強靭なメンタルは、NBAに残すべき価値ある財産であり、本人もそのことを自負している。

「現時点ではおそらく、ベテランとして若手にプロとしてのあり方を教え、自分の名前が呼ばれたときには安定した生産性を発揮する役割を求められるだろうね。プレー以外にも、チームのためにできることはたくさんある。もし呼ばれたら、今すぐにでもプレーできる。いい結果を出せば、その先につながるはずさ。もちろん、プレーしなくてもチームに貢献できるし、昨年のホーネッツでは自分の価値を示すことができた。ただ、最も謙虚な気持ちから言っても、まだまだプレーできる。ないものねだりをしているとは思っていないよ」

 現在34歳となったトーマスも、残りのキャリアを2年から3年と見積もっている。そして、人生の第二章にはコーチとしての未来を抱いているようだ。

「プレーを終えても、間違いなくゲームに携わっていたい。コーチであろうと、フロントオフィスであろうとね。チームの一員として貢献したいんだ。引退後のキャリアについても考えていて、本当にゲームをプレーし終えたら絶対にそれを追求するよ」

 トーマスの第二のキャリアについては、マーカス・スマートアル・ホーフォード(ともにセルティックス)といったかつてのチームメートたちも太鼓判を押す。前者はともにプレーした経験から、トーマスのコーチとしての適性を高く評価した。

「ゲームを学ぶこと、テンポよくゲームコントロールをすること、フロアを見渡すことなど、彼は僕に自信を与えてくれた。彼は素晴らしいコーチになると思う。彼は試合を理解し、愛し、実際にプレーで体現してきた。本物だよ。そんなコーチがいれば、コートの内外で共感しあえるはずさ」

 セルティックスでのプレーから早5年。トーマスのキャリアにも終焉が迫ってきている。6フィート(182センチ)未満史上最高のプレーヤーは、再び輝くビジョンを描きながら、球団からの着信を今か今かと待ち望んでいる。

文=Meiji

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