2023.04.24

2枚看板不在のクリッパーズを引っ張るラス「一丸になって、競い合い続けていかなきゃ」

クリッパーズを引っ張るウェストブルック[写真]=Getty Images
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ラスのアグレッシブなプレーぶりをサンズの主軸が称賛
「ラスは粘り強くやってきた」「彼を批判するのはバスケを理解してない人」

 4月23日(現地時間22日、日付は以下同)。ウェスタン・カンファレンス4位のフェニックス・サンズと5位のロサンゼルス・クリッパーズによる「NBAプレーオフ2023」のファーストラウンドは第4戦を迎え、サンズが112-100で勝利を手にした。

「俺たち3人が全員アグレッシブな時は間違いなくいいこと。3人とも堅実な仕事をした。俺たちは今もなお成長していて、互いのことを学んでいるところなんだ」

 サンズでは試合後にそう口にしていたケビン・デュラントが31得点11リバウンド6アシスト、デビン・ブッカーが30得点9リバウンド7アシスト3スティール、クリス・ポールが19得点4リバウンド9アシスト3スティールとビッグ3が活躍。

 さらにディアンドレ・エイトンが15得点13リバウンド2スティール2ブロックをマーク。サンズは初戦こそ落とすも、翌第2戦から3連勝を飾り、シリーズ突破に王手をかけた。

 一方、クリッパーズではラッセル・ウェストブルックがゲームハイの37得点に6リバウンド4アシスト、ノーマン・パウエルが14得点4リバウンド、テレンス・マンが13得点4アシスト、エリック・ゴードンが10得点を残したが、1勝3敗で後がなくなった。

 クリッパーズとして大打撃なのは、レギュラーシーズンで平均23.8得点6.1リバウンド5.1アシスト1.5スティールをマークしていたポール・ジョージが右ヒザ捻挫のためシリーズ全休と報じられており、シリーズ最初の2試合で平均34.5得点に6.5リバウンド6.0アシスト2.0スティールを誇っていたカワイ・レナードも右ヒザ捻挫で2戦連続欠場と、2枚看板を欠くという苦しい状況。

「確かに、PG(ジョージ)とカワイがダウンしたことでローテーションが変わり、ラインナップも変わることになった。でもここにいる俺たちは言い訳なんてしない。“Next-man-up(ネクスト・マン・アップ。次の選手が代わりを果たす)”のメンタリティで、一丸になって、競い合い続けてフロアへすべてを残していかなきゃいけない。俺たちにできるのはそれだけさ」

サンズ相手に果敢に攻め立てるウェストブルック(中央)[写真]=Getty Images

 そう語ったウェストブルックは、第3戦でも30得点8リバウンド12アシスト3スティールと奮戦。クリッパーズを勝利へ導くことこそできていないものの、エンジン全開で立ち向かい、チームを引っ張っている。

 そんなウェストブルックについて、サンズの主軸たちは対戦相手としてリスペクトを示していた。

 オクラホマシティ・サンダー時代のチームメート、デュラントは「人はいつだって成功を収めて長い間プレーを続けてきた男のことを批判しようとする。ラスは人生を通じて粘り強くやってきた。彼は練習に現れて、多くを語らない。ひたすらバスケットをするのさ」と語り、さらにこうも口にしていた。

「彼が引退したら、人は彼のゲームについて真実を話していくことになるだろう。クリッパーズ入りしてからというもの、彼はみんなへ彼の本当の姿を見せている」

 また、これまでウェストブルックとレギュラーシーズンやプレーオフで何度も対戦してきたポールも擁護していた。

「そうする(ウェストブルックを批判する)人というのは、バスケットボールを理解しておらず、競い合うことの意味を知らない人たちだけという気がするね。ラスは僕にとって仲のいい友人の1人でもある。そんなことをする人たち、(彼のことを)クレイジーだと話す人には、ああいう状況に陥ってほしいものだ」

 サンズとクリッパーズによるシリーズ第5戦は26日。シーズン終了まであと1敗まで追い込まれたクリッパーズが、ウェストブルックを中心とした布陣でシリーズ2勝目を手にすることができるのか。あるいはサンズがシリーズを終えるべく、4連勝することになるのか。

 両チームのベテランたちによる激しいマッチアップ、その裏にある選手としてのリスペクトにも注目していきたい。

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