2023.05.13

終盤の活躍でシリーズを第7戦へ引き延ばしたテイタム「みんなが僕を信頼してくれている」

試合終盤に不振から脱却し、勝利に貢献したテイタム[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

フィールドゴール最初の15本のうち14本をミスも、テイタムが第4クォーターに4本の長距離砲を沈めてシクサーズに勝利

 5月12日(現地時間11日、日付は以下同)にウェルズファーゴ・センターで開催された「NBAプレーオフ2023」のイースタン・カンファレンス・セミファイナル第6戦。2勝3敗と追い込まれていたボストン・セルティックスは、前半を終えてフィラデルフィア・セブンティシクサーズ相手に50-43と7点をリードしていた。

 ところが、負ければシーズン終了という大一番で、セルティックスのエース、ジェイソン・テイタムは前半を終えて7リバウンド6アシスト2ブロックこそ残すも、得点はフリースロー1本成功のみの1得点。

 フィールドゴール10本(うち3ポイントシュートは4本)がすべてリングをくぐり抜けることはなく、後半に入ってもショットがなかなか決まらず、フィールドゴール最初の15本のうち、なんと14本もミスする絶不調だった。

 だが2点ビハインドで迎えた最終クォーターでエースが復活。序盤にフリースロー2本を決めて同点とすると、残り約6分半にもフリースロー2本を成功。そして残り約4分から4本もの長距離砲を放り込み、95-86の勝利へと導いた。

テイタムが最終クォーターの重要な場面でショットを決め切った[写真]=Getty Images

「僕は、控えめに言っても、世界でベストなプレーヤーの1人なんだ。何度も不調やスランプを乗り越えてきた。試合は長いんだ。ありがたいことに、僕には(試合を)つないでくれる最高のチームメートたちがいる」

 試合後の会場インタビューで、『ESPN』へそう語ったテイタムは、この第6戦で19得点9リバウンド6アシスト2スティール2ブロックを記録。だが本人が話したとおり、マーカス・スマートが22得点7リバウンド7アシスト2スティール、ジェイレン・ブラウンが17得点6リバウンド4アシスト、マルコム・ブログドンが16得点6リバウンド、ロバート・ウィリアムズ三世が10得点9リバウンド2ブロック、アル・ホーフォードが11リバウンドと、頼れるチームメートたちがエースの不振を見事にカバー。

 ショットがリングに嫌われるなか、ジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)は「私は君のことが大好きだ」とエースへシンプルな言葉をかけて支えたほか、テイタムは「チームのみんなが僕のことを信頼してくれている。彼らは『いいショットを狙い続けるんだ。そうすればそのうち決まる。ほかの方法でゲームにインパクトを与えていけ』と言ってくれた」と話していた。

 セルティックスが3勝3敗で逆王手をかけたことで、シクサーズとのシリーズは最終第7戦へもつれ込むこととなった。マイアミ・ヒートが待ち構えるカンファレンス・ファイナルへ駒を進めることができるのは、15日にTDガーデンで開催される運命の第7戦に勝利したチームとなる。

「僕たちはこの試合に勝つことができた。自分たちへ新たなチャンスを与えた。第7戦でホームへ戻れるんだ」と語ったテイタムは「次は間違いなくビッグゲームになる」と気を引き締めていた。

 セルティックスは昨年のプレーオフで、カンファレンス・セミファイナル(対ミルウォーキー・バックス)、カンファレンス・ファイナル(対ヒート)と2シリーズ連続で第7戦を経験しており、いずれも勝利を手にしている。

 その一方で、相手エースが不振だったホームゲームで勝ち切れなかったシクサーズが、ジョエル・エンビードジェームズ・ハーデンタイリース・マクシーらを中心に敵地で白星を手にすることができるかも注目したい。

ジェイソン・テイタムの関連記事