2023.05.26

レブロンがデイビスに引退の可能性をほのめかす?パリ五輪開催前の引退を示唆

レブロンはADにパリ五輪開催前の引退を仄めかしていた [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 レブロン・ジェームズの進退が話題となっている。

 キングはレギュラーシーズンの不振と下馬評を覆し、ロサンゼルス・レイカーズのプレーオフ躍進をけん引。しかし、カンファレンスファイナルではウェスタン・カンファレンス首位のデンバー・ナゲッツにスイープされ、優勝を一歩前にしてポストシーズンを後にした。

 ナゲッツとの対戦を振り返ると、レイカーズが勝ち切れる試合もあったのは事実だろう。仮にレイカーズがゲーム1をものにしていれば、シリーズの結果は異なっていたかもしれない。そうした煮え切らない状況下で、レブロンはゲームプランが機能しないことについてベンチで声を荒げたり、無言でコートを後にするなどストレスが確認された。

 そして、敗退後のインタビューでは、レイカーズでの進退を濁すと同時に、キャリアに幕を下ろすような発言を残し、話題を呼んだ。

「バスケットボールというゲームをするうえで、考えなければいけないことがたくさんある。俺がプレーを続けたいかどうか。それについて向き合わなければいけない」

 レブロンは、レイカーズとの契約を来シーズンまで残し、その後のプレーヤーオプションも保有している。そして、度々ブロニー・ジェームズとの共演を熱望しており、息子がNBA入りを果たすまではリーグに残るものと思われていた。

 その意見を180度変えるような今回の発言を受けて、球団関係者やファンは動揺を隠せなかった。チームの二枚看板のアンソニー・デイビスも『ESPN』からキングの発言を聞かされると、驚いた様子で耳を傾けたという。

 しかし、『ESPN』の話しを聞かされたADは少し考えたあと、2024年パリオリンピックについて会話を交わした際に、レブロンが「自分の中にもうひとつの計画がある」と切り出し、五輪前にキャリアを終える可能性をほのめかしたという。また、デイビスは、レブロンが2028年のロサンゼルスオリンピックと勘違いしていないかを確認すると、4度のNBAチャンピオンは“来年のオリンピック”であることを強調し、「開催前にはシューズを脱いでいるかもしれない」と言い直したようだ。

愛息子との共演を希望する言葉にも変化が [写真]=Getty Images


 いま一度、最近のレブロンの発言を振り返ってみると、ブロニーとの共演について問われた際の言葉選びで気になる箇所が存在する。

「俺はこのリーグでやるべきことをやり遂げた。息子はこれから旅立つ。俺たちは彼(ブロニー)の決断を全力でサポートするつもりだ。俺の願望が彼のものとは限らない。俺はそれでも全く問題ない」

 これまでも自身の目標がブロニーのプレッシャーにならないような発言をしていたものの、直近のコメントは息子とともにプレーする夢を半ば諦めたようにも取れる。

 一方で、レブロンは足の負傷を押しながらプレーを続けており、今夏は回復に努めるとの報道も。そして、来シーズンはこれまでと同様のハイレベルなパフォーマンスを発揮できるかを問われると、「なぜそんなことを聞くんだ? 俺はまだNBA全体の90パーセントより優れている。いや、95パーセントかもしれない」と返答し、モチベーションと自信を覗かせていた。

 果たして、来シーズンのコート上にレブロンの姿はあるのだろうか。引退の示唆は、敗退の悔しさから滲み出たものだと信じたい。

文=Meiji

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