2023.06.23

NBAドラ1“痩せすぎ”の声に反論…怪物ウェンバンヤマ「他の人に痩せるよう言うべき」

NBAドラ1のウェンバンヤマは体型に関する懸念を一蹴 [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 リーグの未来を占う「NBAドラフト2023」が開催され、1位指名の権利を持つサンアントニオ・スパーズは、レブロン・ジェームズ以来の才能と言われるビクター・ウェンバンヤマを指名した。

 身長226センチという恵体を有しながらも、ビッグマン離れしたハンドリングとシュートスキルを兼ね備えるウェンバンヤマは、対戦相手が手に負えない“トラブル”となると予想されている。

 唯一懸念されているのは、体の細さだろう。NBAは過密日程のなか、シーズンを通してフィジカルな戦いを余儀なくされる。レギュラーシーズン82試合にプレーオフが追加され、毎試合のように屈強なセンターと対峙する経験は、フランスのプロリーグを戦ったウェンバンヤマにとっても最初の試練となる。

 しかし、『Good Morning America』でこの懸念について意見を求められたウェンバンヤマは、NBAで成功するために体を鍛える必要はないと、世間の不安を一蹴している。

「僕のフィジカルに疑問を呈する人たちは、僕の労働倫理を知らないと思います。僕は自分のこと、一緒に働く仲間のこと、周囲の環境を理解しています。僕としては何も心配することがないので『なぜ?何のため?』というような印象です。それであれば、他の人に痩せるよう言うべきですよ」

 ウェンバンヤマのフィジカルについては、彼のトレーナーであるギヨーム・アルキエ氏もコメントしている。アルキエ氏は、同選手が少しずつ体重増加にも取り組んでいるものの、急激な成長は膝をはじめとする関節への負担を懸念。そして、それらの不安を解消するために、“足”の強化に取り組んでいる。

 ウェンバンヤマは度々裸足でトレーニングやウォーミングアップする様子が確認されているが、足は着地の際に最初に地面と接触するパーツであり、トレーナー曰く、足が強化されれば、ケガのリスクが軽減されるだけでなく、プレーの質や幅も大幅に向上するという。

 また、昨今はゲームのトレンドも大きく変化しており、エバン・モブリーやボル・ボルのようにスリムなインサイドプレーヤーも活躍傾向にあるため、一概にサイズアップを推奨するのはオールドスクールな考え方なのかもしれない。

 フィジカルにおける考え方以外にも、ウェンバンヤマはドラフトの前後で印象的なコメントを残しており、最も対戦したい選手についてはケビン・デュラントの名前を挙げ、サンアントニオの文化で楽しみことを問われると「朝食のタコス」と返答した。

 サマーリーグでのプレーにも前向きであることから、今オフは超大物ルーキーの話題で持ちきりになるだろう。

 果たして、怪物ウェンバンヤマの実力はいかに。

文=Meiji

NBAに怪物来襲…ウェンバンヤマの一挙手一投足に注目が集まる[写真]=Getty Images

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