6月23日（現地時間22日、日付は以下同）にバークレイズ・センターで開催された「NBAドラフト2023」で、サンアントニオ・スパーズから全体1位で指名されたビクター・ウェンバンヤマは、早くも注目の的となっている。

　224センチという驚異的な高さとペリメータープレーヤーのスキルを兼備する19歳の新鋭は、今シーズンをメトロポリタンズ92でプレーしており、フランスリーグのファイナルまで勝ち進んだ。

　そのウェンバンヤマは、フランス代表候補にも名を連ねる有望株で、2021年には「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」のヨーロッパ予選にも出場しており、4試合で平均19.0得点8.2リバウンド2.0スティール2.8ブロックを残してきた。

　FIBAランキング5位のフランスは、2021年夏の東京オリンピックで銀メダルを獲得した強豪で、今夏のワールドカップでも優勝候補の一角なのだが、ウェンバンヤマはスパーズで迎えるNBAのルーキーシーズンの準備に向けてフォーカスし、2024年夏のパリ・オリンピックを目指し、今夏のワールドカップ出場は辞退するとフランスの新聞『L’Equipe』へ明かしていた。

「みんながこのことを理解してくれると願っている。僕としても悔しいことなんだ。フランスの代表チームは今でも大事なことに変わりはない。このチームの一員として、できるだけ多くのタイトルを勝ち取りたい。でも僕はそれが必要な犠牲なんだと見ている」

　フランス代表は8月25日からスタートするワールドカップでグループHに入っており、インドネシアのジャカルタでグループフェーズを戦っていくこととなるのだが、ウェンバンヤマはこの大会に出場しないことを決断。

　スパーズは7月4日と6日に開催予定の「カリフォルニア・クラシック・サマーリーグ」でサクラメント・キングスやゴールデンステイト・ウォリアーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、シャーロット・ホーネッツ、マイアミ・ヒートとともに参戦予定となっている。

　そして同8日から18日にかけてラスベガスで行われる「NBA2K24 サマーリーグ」が控えているため、ウェンバンヤマはそのうち数試合でプレーする予定のようだ。

　ワールドカップの出場辞退は残念だが、今のウェンバンヤマにとって最も重要なのはスパーズの一員として迎えるNBAのルーキーシーズンだけに、入念な準備をしてほしい限りだ。