2023.07.29
7月27日(現地時間26日、日付は以下同)。ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が、この日公開された『BBALLBREAKDOWN』のインタビューへ出演した。
2014-15シーズンにウォリアーズの指揮官へ就任したカーHCは、今シーズンで10シーズン目を迎える。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンというビッグ3を絶対的な中心とするウォリアーズは、カーの就任後にウェスタン・カンファレンスを6度も制してNBAファイナルへ進出して計4度のリーグ制覇を達成。
もっとも、カリーが2009年のドラフト1巡目7位でウォリアーズから指名された当時、カーはフェニックス・サンズでバスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)を務めていた。
カーが初めてカリーを見たのはデイビッドソン大学時代のこと。カリーは同大で3シーズンをプレーし、3年次の2008-09シーズンには平均28.6得点4.4リバウンド5.6アシストをたたき出していた。
その当時、サンズには将来の殿堂入りポイントガード、スティーブ・ナッシュ(元サンズほか)がおり、チームの中心選手として活躍していた。カリーを初めて見た当時のことをカーHCはこう振り返る。
「(カリーを)初めて見た時のことは覚えているよ。デイビッドソンがジョン・ウッデン・クラシックでUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)と対戦した時だった。あの時、我々には多くの面でスティーブ・ナッシュに似ていると映ったんだ…。複数のスカウトがサイズ面で懸念していたが、我々はそう見ていなかった」
公称188センチ83キロのカリーは、今でこそリーグ最高級の実力者となり、シーズンMVPに2度、ファイナルMVPにも1度選ばれ、NBAの75周年記念チームにも名を連ねた史上最高の3ポイントシューターとしての地位を確立している。
だがドラフト当時はサイズ不足などを不安視され、NBAでここまで成功を収めると予想する識者は皆無に等しく、キャリア序盤は足首のケガにも悩まされて思うように活躍できなかった。
それでも、カーとナッシュはカリーのことをポジティブに評価していた。
「スティーブ(ナッシュ)が私へ言っていたことを覚えているよ。彼にとってはカリーがあの年のドラフトでお気に入りの選手で、彼と一緒にプレーしたがっていた。でも運がなかったんだ。私としてはそうならなくて良かったよ(笑)」
2009年のドラフトはカリーのほか、1巡目全体3位でジェームズ・ハーデン(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、同9位でデマー・デローザン(現シカゴ・ブルズ)、同17位でドリュー・ホリデー(現ミルウォーキー・バックス)が指名されるなどガード豊作の年となった。だがサンズは1巡目14位でフォワードのアール・クラークを指名も、2年目の途中にトレードしている。
ナッシュは1996年のドラフト1巡目15位でサンズから指名され、ダラス・マーベリックスへ移籍後にオールスターへ成長。その後サンズへ復帰し、リーグ最高級の司令塔となってチームメートたちの得点機会を演出。
75周年記念チームに選ばれたカナダ出身のポイントガードは、2度のMVPに5度のアシスト王、オールスターに8度、オールNBAチームに7度選ばれており、NBA歴代5位の通算1万335アシストを残した。
プレーメーキングに秀でていた傍ら、ナッシュには正確無比なシュート力も備わっており、キャリア通算でフィールドゴール成功率49.0パーセント、3ポイントシュート成功率42.8パーセント(平均1.4本成功)、フリースロー成功率90.4パーセントを残しており、試合の重要な場面ではリーグ最高級のシューターと化してチームを勝利へ導いてきた。
ナッシュとしては、大学時代のカリーがサンタ・クララ大時代の自分自身のことを思い出させたのだろう。もしサンズでナッシュと新人時代のカリーがチームメートとしてプレーしていたら、お互いのキャリアが変わっていたのかもしれない。
ナッシュは2018年にバスケットボール殿堂入りしており、カリーの殿堂入りも確実。将来の殿堂入りポイントガード2人がサンズで共闘することはなかったものの、当時からカーHCはカリーのことを高く評価していたと言っていいだろう。
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