2023.07.31

「あの試合が明確に僕という男の物語を変えた」…カリーがキャリアの分岐点を語る

2013年のニックス戦で54得点を奪ったカリー[写真]=Getty Images
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「4年目、僕らがニューヨークのガーデンで臨んだ試合だね」

 ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは、4度のNBAチャンピオンに2度のシーズンMVP、ファイナルMVPとオールスターMVPにもそれぞれ1度選ばれてきたスーパースター。

 2009年のドラフト1巡目7位でウォリアーズから指名され、昨シーズンで在籍14年目を終えた188センチ83キロのポイントガードは、オールスターとオールNBAチームに各9度、得点王に2度、スティール王にも1度輝き、75周年記念チームにも名を連ねた。

 3ポイントシュートでバスケットボールを変えたとも評されるゲームチェンジャー(変革者)は、レギュラーシーズン通算3390本、プレーオフ通算618本成功と、いずれもNBA歴代トップを誇っており、ウォリアーズでも通算2万1712得点や5740アシスト、1419スティールなど、複数の球団最多記録を保持している。

カリーはNBAで4度の優勝を勝ち取ってきた[写真]=Getty Images

 とはいえ、カリーのNBAキャリアは決して順風満帆ではなかった。特に3年目となった2011-12シーズンは足首のケガに悩まされ、わずか26試合の出場に終わっていた。

 そうしたなか、カリーはキャリア4年目となった2012-13シーズンにブレイク。78試合に出場して平均22.9得点4.0リバウンド6.9アシスト1.6スティールに3ポイントシュート成功率45.3パーセント、平均3.5本を放り込み、オールスター級の選手として台頭したのである。

 7月29日(現地時間28日、日付は以下同)に公開された『TODAY』とのインタビューで、カリーは自身のキャリアにおけるターニングポイントをこのように話していた。

「4年目、僕らがニューヨークの(マディソン・スクエア)ガーデンで臨んだ試合だね。僕は54得点した。でもチームは負けてしまった。(けど)あの試合が明確に僕という男の物語を変えたようなものなんだ。『オーケー。この若者のことを真剣に受け止めなきゃいけないな。彼には才能があり、大胆不敵だからな』とね」

 その試合は2013年2月28日に敵地マディソン・スクエア・ガーデンで行われたニューヨーク・ニックス戦。37分以上にわたってニックスがリードする展開のなか、カリーは第2クォーターだけで4本の長距離砲を放り込むなど計23得点と躍動。

 続く第3クォーターでも11得点、最終クォーターでも16得点と、立て続けに両チーム最多の得点を奪取。試合こそ105-109で敗れたものの、この試合でカリーは当時いずれもキャリアハイとなる3ポイントシュート成功11本、54得点の超絶パフォーマンスを披露して世界を驚かせた。

 ウォリアーズはこの2012-13シーズンにプレーオフへ駒を進め、カリーは初のプレーオフでも堂々とプレーし、カンファレンス・セミファイナル進出の殊勲者となったのである。

 NBA史上最高と評される3ポイントシューターは、この年をきっかけにウォリアーズをプレーオフ常連チームへと引き上げ、フランチャイズプレーヤーとなって計4度の優勝へ導いた。カリーにとっても、ニックスとのアウェーゲームで54得点を奪ったあの試合は、今でも強烈に印象に残っているようだ。

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