2023.12.27

2023-24シーズンのNBAで最も期待外れな契約5選

期待されていた活躍を見せられていない選手たち[写真]=Getty Images
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 NBAという熾烈なリーグにおいて、球団はサラリーキャップをクリアし、効率的なロスターを構築しなければならない。そのため、選手との契約は最も慎重を期すことになるが、どんなに優秀なスカウトが存在しても、失敗は避けられない。特にブレイクした翌年や、ポテンシャルおよびキャリアピークの見誤り、ケガの耐性が弱い選手の獲得などは、ファンから反感を買うリスクを秘めている。

 残念なことに、今シーズンも不本意な契約が存在している。契約金額やこれまでの成績と照らし合わせながら、期待外れな選手を抜粋する。

ブラッドリー・ビール(フェニックス・サンズ)

年俸:4670万ドル(67億円)
出場試合:6試合
平均スタッツ:14.7得点、3.3リバウンド、3.2アシスト

 11シーズンを過ごしたワシントン・ウィザーズを退団し、タイトル獲得を目論むサンズに加入したビールは、リーグで4番目に高い給与水準にある。しかし、移籍後はわずか6試合の出場に止まっており、期待されている得点もキャリア平均を大きく下回っている。

 ビールは2018-19シーズンを最後に、レギュラーシーズンで65試合以上の出場歴がなく、近年は健康面が疑問視されてきた。ケビン・デュラントも主力不在にはフラストレーションを溜めているとの報道もあり、リーグ優勝に向けてデビン・ブッカーを含むビッグ3のケミストリーを深めるためには、3度のオールスターの一貫性が必要不可欠だ。球団オーナーであるマット・イシュビアも、背番号3の不良債権化は何としても避けたいところだろう。

ジョーダン・プール(ワシントン・ウィザーズ)

年俸:2750万ドル(39億円)
出場試合:27試合
平均スタッツ:17.5得点、2.5リバウンド、3.6アシスト

 長年ウィザーズを牽引したジョン・ウォールブラッドリー・ビール政権に遂に終止符が打たれ、世代交代に乗り出したウィザーズ。その重責を任されたのが、ゴールデンステイト・ウォリアーズから鳴物入りで加入したプールだ。しかし、プールのこれまでの成績は、ウィザーズの財政投資に見合っていない。

 プールは、チームで最も高い年俸を受け取っており、今後は2026-27シーズンまで3000万ドル以上の契約が残されている。それにもかかわらず、1試合あたりの平均得点は20点未満で、3ポイントシュート成功率も31.3パーセントと低水準。また、傲慢な姿勢やリーダーシップ能力も懸念されており、プールには早くもトレードの噂が付きまとい始めた。

PJ・タッカー(ロサンゼルス・クリッパーズ)

年俸:1100万ドル(16億円)
出場試合:12試合
平均スタッツ:1.2得点、2.4リバウンド、0.7アシスト

 PJ・タッカーは、ディフェンスへの執念と勝利を求めるメンタリティーで評価され、ミルウォーキー・バックスではリーグ優勝に大きく貢献した。しかし、新天地でのクリッパーズでは、ベテランとは思えないほど、誰の目から見てもロスターにフィットできていない。

 焦点が当てられているのは、数字栄えしない限定的なスタッツと、それに対する年齢とサラリーの兼ね合い。現在39歳のタッカーはキャリアの終盤にありながら、チームで5番目に高い1100万ドルを受け取っており、現行契約は2024-25シーズンまで残されている。15分未満の平均出場時間を見ても、ティロン・ルーHCからの信頼を獲得しているとは言い難く、次回のマーケットではテコ入れの対象になる可能性は高そうだ。 

ゲイブ・ビンセント(ロサンゼルス・レイカーズ)

年俸:1050万ドル(15億円)
出場試合:5試合
平均スタッツ:5.4得点、1.0リバウンド、3.0アシスト

 NBAファイナルではマイアミ・ヒートで先発ポイントガードを任されるほどだったビンセントだが、西海岸に移籍後はその影をすっかり潜めてしまった。

 ビンセントの役割はヒート時代と変わっておらず、ゲームコントロール、アウトサイド、ディフェンスの3点。しかし、これまでのレイカーズでの活躍を見る限り、ヒート時代の5倍以上にあたる年俸1000万ドル強の複数年契約は過大評価だったのかもしれない。肝心の3ポイントも、成功率はわずか11.8パーセント。ビンセントとしては何とかして、復調の兆しを見つけたいところだろう。

ダービス・ベルターンス(オクラホマシティ・サンダー)

年俸:1700万ドル(24億円)
出場試合:10試合
平均スタッツ:3.8得点、0.9リバウンド、0.8アシスト

 今季から若きサンダーに加入したベルターンスは、エースのシェイ・ギルジアス・アレクサンダーに次ぐチーム2位の高給取りだ。しかし、これまでの出来と貢献度を踏まえると、ラトビアンレーザーは“不発”と言わざるをえない。

 出場試合数は、わずか10試合。平均得点はわずか3.8得点に止まっており、1700万ドルに匹敵する生産性はお世辞にも得られていない。しかし、一部ではトレード市場でサラリーキャップを確保するための戦略的計画とも言われているため、一概に不本意な契約とはカテゴライズできないかもしれない。

文=Meiji

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