2019.09.02

ギリシャ代表でプレーするヤニス・アデトクンボ「このチームには限界なんてない」

ギリシャのアデトクンボ(右)とモンテネグロのブーチェビッチ(左)[写真]=Getty Images
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「チームにはビッグクラブでプレーし、すばらしい経験を持った選手がいる」

 9月1日、大会2日目となった「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)では、グループFの2試合が行われた。

 ブラジル対ニュージーランドは、第3クォーターで28-12と突き放したブラジルが102-94で勝利。ギリシャ対モンテネグロの試合は前半で42-16と一気に勝負を決めたギリシャが85-60で制した。

 ギリシャはニコラ・ブーチェビッチ(オーランド・マジック)擁するモンテネグロのフィールドゴール成功率をわずか34.3パーセント、3ポイント成功率も26.3パーセントに抑え込む好ディフェンスを披露。オフェンスでは4選手が2ケタ得点を挙げるバランスの良さで快勝。

 このギリシャには昨季のシーズンMVPに輝いたヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がいるのだが、この試合では約16分のプレータイムで10得点8リバウンド1アシスト2スティール1ブロックを残して勝利に貢献している。

 もっとも、アデトクンボという世界的に有名なスーパースターがいるとはいえ、ギリシャは決してこの男のワンマンチームではない。

 ロースターには兄タナシス(バックス)をはじめ、コスタス・パパニコラウ(元ヒューストン・ロケッツほか)、ヨーゴス・パパヤニス(元サクラメント・キングスほか)、ニック・カラテス(元メンフィス・グリズリーズ)といった元NBAプレーヤーと、ユーロリーグなどで活躍する選手たちがおり、FIBAランキング8位という世界屈指の強豪である。

 9月2日(同1日)に『EuroHoops』へ掲載された記事の中で、アデトクンボも「僕らはすばらしい選手たちが集まったグループだと思う。彼らは良い選手たちであり、それが最も重要なことなんだ」と語ると、こう続けた。

「このチームには限界なんてないんだ。すばらしい選手たちがそろっているからね。僕らはハードにプレーを続けていかなきゃいけないけど、彼らは(ユーロリーグなどの)ビッグクラブでプレーしている選手たちであり、すばらしい経験を持っている。僕らが100パーセントの力を注ぎ込めば、きっといい結果を残すことができるさ」。

モンテネグロ戦で15得点8リバウンド2ブロックをマークした⑭パパヤニス[写真]=fiba.com

2次ラウンドでアメリカと戦う可能性があるも「翌戦にフォーカスしなきゃ」

 とはいえ、やはり気になるのは情け容赦ないプレーでリングを強襲するアデトクンボがアメリカ代表に立ち向かうゲーム。9月6日から幕を開けるセカンドラウンドで、グループFの上位2チームはアメリカやトルコ、チェコ共和国、日本が入るグループEの上位2チームと7日から対決することとなる。

 そのため、ファーストラウンドを突破した順位次第で、ギリシャ対アメリカという対戦カードが実現する可能性はある。だが、アデトクンボは先のことは考えず、目の前の試合に集中していく姿勢を崩していない。

「僕らは今、アメリカ代表チームについては考えていない。僕らは(モンテネグロ相手に)すばらしい勝利を収めたこと、もっといいプレーができることについてフォーカスしているんだ。次の相手はブラジル(FIBAランキング12位)だから、翌戦にフォーカスしていかなきゃ。アメリカ代表との試合はまだまだ遠い。1つ1つのゲームで、着実に勝利をもぎ取っていくだけさ」とアデトクンボ。

 3日に行われるギリシャ対ブラジル戦は、グループFにおける頂上決戦と言っていい好カード。優勝候補の1つに挙がるギリシャ代表が、ブラジルとどのようなゲームを見せるのか。まずはこの2チームによる対決を楽しみたいところだ。

今後の戦いで、211センチの万能ディフェンダー、アデトクンボの存在感は増してくるに違いない[写真]=fiba.com

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