2020.05.05
マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が、中国のチャオダン スポーツ(Qiaodan Sports/乔丹体育)との8年にもおよぶ法廷闘争に勝利したようだ。
中国紙『China Daily』は、最高人民法院(日本でいう最高裁判所)が同裁判において、ジョーダン側に勝訴の判決を言い渡したと報道。北京の下級裁判所の判決を覆し、長期間におよぶ商標紛争に終止符を打った。
チャオダンは、MJが看板を背負うジョーダン ブランドと酷似した世界観でブランドを展開している。そもそも「乔丹」とは、ジョーダン本人の名前の中国語表記。すなわち、彼らは自国で「ジョーダン スポーツ」の名を掲げてブランドを運営しているのである。もちろん、ジョーダン本人とチャオダンはまったく無縁の関係だが、あからさまにジャンプマンロゴを模したチャオダンのロゴや、ジョーダンを象徴する「23」のナンバリングを施した商品を販売するなどして、一部消費者からはジョーダンがチャオダンに携わっているとの誤解が生じていた。
これを受けて、ジョーダンはチャオダンを法廷に引き上げ、商標を無効にするよう要求。しかし、第一審と第二審では、発音の違いなどを理由にジョーダンの訴えを棄却。だが、2016年になって、ようやくジョーダンの一部要求が認められることとなった。
これにて一件落着……かと思いきや、今度はチャオダン側がジョーダンを提訴する事態に発展。誹謗中傷の的になったことや社会的名誉毀損などを訴え、ジョーダンに対して約1,800万円の慰謝料と公的な謝罪を要求したのだ。
そんな泥沼化したジョーダン vs チャオダンの闘争も恐らくこれにて終焉。チャオダンは、自社商品に「乔丹」の名前を使用することができなくなった。
北京の法律事務所で知的財産権弁護士を務めるカン・リクシアは、「最高人民法院が下した判決は、中国全土で彼の名前を保護するジョーダンの権利を認めると同時に、知的財産権紛争の保護基準における平等性を保った」とコメント。また、中国社会科学院で知的財産権を研究するリ・シュンドゥーも今回の判決を支持し、「平等性のある保護は、ビジネス環境の最適化を助け、これにより生まれたより良いビジネス環境は、より多くの外国人投資家から関心を集め、安心して我が国に投資を行ってくれるでしょう」と発言している。
だが、肝心のチャオダンは懲りていない模様。商標を使用できなくなった商品が品番のごく一部であるため、今後も大きな変更をせずにビジネスを展開していく意向だという。
文=Meiji
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