2020.09.12

【Wリーグ開幕特集/注目選手】日立ハイテククーガーズ・北村悠貴「(緩急のあるプレーを身に付け)今年の北村はイノシシじゃない」

キャプテンとして2年目を迎える北村悠貴
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取材・文=田島早苗
写真=Wリーグ、バスケットボールキング編集部

 9月18日より開幕する第22回Wリーグ。先シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響で中断となり、公式戦は今年2月23日以来となる。バスケットボールキングでは新たに始まるシーズンに向け、全12チームの注目選手にインタビューを行い、シーズンに向けての思いを聞いた。

 第17回はシーズン・レギュラーシーズン9位の日立ハイテククーガーズから北村悠貴。ここぞという場面で得点にからむガードであり、チームを引っ張るキャプテンでもある。

——昨シーズン振り返っていかがでしたか?
北村 昨シーズンはなかなか勝てなかったので、キャプテンとして、プレーヤーとして何ができるか、何をするべきか、すごく考えた1年でした。結果は振るいませんでしたが、精神面はすごく成長できましたし、キャプテンは初めてだったのですが、すごく良い経験をさせてもらったと感じています。

 ただチームとしては、何がやりたいか、何を共通理解としてやっていくか、というところが甘かったなとすごく反省していて。自分自身が成長できたとはいえ、それをチームに還元できなかったら意味がないと思うので、私もチームも(両方)良くするということができれば良かったなと感じています。

——学生時代、キャプテンの経験は?
北村 高校と大学は副キャプテン、高校では臨時でキャプテンも務めました。けれど、Wリーグで務めるキャプテンは大変でしたね。昨シーズンは、ナツさん(前ヘッドコーチの薮内夏美)のバスケットを理解できている、できていない以前に、私にみんなをまとめて引っ張る力がないとすごく感じてしまって。

 これまではアヤさん(鶴見彩)やセイさん(八木香澄/昨シーズンをもって引退)がキャプテンで、セイさんは周りに気がつくタイプ、アヤさんは自身が人一倍頑張っているから助けてあげよう、何か力になってあげようと思えたキャプテンでした。じゃあ私には何があるんだろうとすごく考えました。

——今シーズンもキャプテンを務めます。2年目に意識することは?
北村 移籍での加入選手が多く、新人選手も3人います。特に移籍の選手たちにはそれまでのチームから持ってきた良いものをハイテクにもたらしてほしいし、改善すべきところがあれば、指摘してほしいと思っています。キャプテンとしてそういうチームを作りたいですね。

——風通しの良いチームを目指しているわけですね。
北村 そうですね。言いたいことを我慢することがないように、話し合いの場を設けるようにしています。新加入の谷村(里佳)や村山(翠)はキャプテン経験がありますし、同い年で話もしやすい。2人とも良い意見を言ってくれるのでありがたいです。2人はもちろんのこと、2人以外にもチームメイトに支えられていると感じます。

——昨シーズンは、個人として振り返ると日本代表候補にも選ばれました。
北村 日本代表に選んでもらえたことは純粋にうれしかったです。高校からの夢でもあったので、その舞台に上がる可能性が自分にもあるんだと思ったら、もっと頑張ろう、このままじゃダメだという気持ちになりました。日本代表に選ばれことをきっかけに、良い意味でも悪い意味でも自分の甘さに気づくことができました。

——日本代表合宿は大きな刺激になったと思います。
北村 そうですね。最終メンバーに選ばれる、選ばれないはもちろん大事だと思いますが、いろんなことを吸収できる機会を無駄にしない、そう思って過ごしました。メンバーに選ばれて試合に出るというチャンスはつかみ取れなかったですが、合宿に行ったことで得られるチャンスはつかんでくることができたのかなと思います。

——今シーズン、個人としてはどのようなプレーを見せたいですか?
北村 正直、自分のプレーは緩急のないイノシシみたいだなと思っていて、そこを(今シーズンよりヘッドコーチを務める)内海(知秀)さんが変えてくださっているというか、パスするところと自分で行くところのメリハリを指摘してくれます。シュートタイミングや今まではできなかった小さなパスだとか、細かい部分を見ていただけると成長したなと思ってもらえるのではないかなと思います。今年の北村はイノシシじゃないぞと(笑)

 

強気なプレーも北村の持ち味の一つ[写真]=Wリーグ

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