2026.01.16
ユーロリーグは株主球団との長期契約が佳境を迎えている最中、NBAに対して“けん制”した。だが、対するNBAはそのアクションに動じることなく、コミッショナーのアダム・シルバーはFIBAと共同で進めているヨーロッパの新リーグ構想について、計画が前進していることを改めて強調した。
ユーロリーグが、在籍する球団とNBAが新リーグについての交渉をした場合、法的措置を示唆する通達を送ってから数日後、コミッショナーはメンフィス・グリズリーズ対オーランド・マジックの試合が開催されるドイツ・ベルリンにいた。
シルバーは、試合前に行われた記者会見に登壇。そこでは、ドイツで開催する意義と、NBAヨーロッパの構想についての言及があった。
「ドイツでは今、バスケットボールが最も成長しているスポーツです。要するに、このスポーツの黄金時代と言えるものが来ている、と私は思います。1936年のベルリンオリンピック、それはバスケットボールが初めて導入された大会です。ここには長い歴史があります」
NBAヨーロッパの実現については、引き続き開幕時期や参加クラブについての正式発表は避けているものの、「この構想に非常に大きな期待を寄せている」と前向きなコメントを残したシルバー。一方で『AP通信』のティム・レイノルズ記者によると、NBAとFIBAの検討モデルのひとつは16チーム制のリーグであり、12クラブが恒久参加枠、残る4枠は競技成績による予選枠とされている。また、タイムライン上での目標は2027年10月開幕が想定されているが、ここはあくまで流動的な設定とされている。

現地時間1月15日にNBA公式戦が開催されたベルリン[写真]=Getty Images
しかし、NBAヨーロッパが一朝一夕で成功を収められるわけではない。参加料は高額になる見込みで、経済面での安定には時間を要し、長期的な目線で物事を進めていく必要がある。
「少なくとも設立当初の資金は、リーグ加盟クラブから出る可能性があります。ですが、スタートアップ事業と同様に、参加者が投資家となり、時間をかけてリターンを求めることになるでしょう。この新リーグを成功裏に立ち上げたとしても、それが商業的に成立する事業になるまでには、しばらく時間がかかると思います」
「郷に入っては郷に従え」という格言があるように、NBAもまた、ヨーロッパ上陸の際に地域の伝統を重んじる姿勢を示している。ドイツ代表のフランツ・ワグナー(オーランド・マジック)は、シルバーが意見を求めた人物の一人であり、同選手の他にもスロベニア代表のエースであるルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)とも会話があったという。
「ヨーロッパのバスケットボールの伝統を尊重することは、きわめて重要だと思います。我々は古いものと新しいもの、伝統と革新を最もよく組み合わせた形を見つけようとしています。だからこそ、FIBAをパートナーに持つことが重要であるのと同様に、ヨーロッパのバスケットボール文化を理解している既存のバスケットボール組織と関わることが重要なのです」

NBAに歩み寄りつつあると伝えられているレアル・マドリード[写真]=Getty Images
だが、レアル・マドリードはいち早く脱退の準備に向かうのかもしれない。スペインの地元紙『Diario AS』によると、合意こそないものの、両者の協議は進展しており、レアルはNBA側の提案を受け入れ、ユーロリーグを離れることに前向きだという。また、球団を率いるセルヒオ・スカリオロ監督も明確な意見は避けたが、120年以上の歴史を持つスポーツクラブが最近、中長期計画をスタートさせ、プランニングセッションでは中期・長期的な視点に正しく焦点が当てられていることが明確に示されていることを明かしている。
そうした中でシルバーは本音を語る。
「正直に言って、最も重い仕事はヨーロッパで新しいリーグを作ることです。だからこそ、一歩ずつ、非常に慎重に進めています」
NBAは今、国内拡張と欧州進出という二つの成長戦略に同時に着手している。ユーロリーグの書簡が報じられた後も、NBAは公の場では計画推進の姿勢を崩さなかった。バスケットボールの未来は、着実に変わろうとしている。
文=Meiji
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