2018.05.16
5月12日、ついに「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017−18」クォーターファイナルがスタートした。昨シーズンのファイナルで悔しい思いを喫した川崎ブレイブサンダース。その思いを乗せて戦った頂点へのスタートは、千葉ジェッツに予想外の大敗となった。
ゲーム終了後の北卓也ヘッドコーチの様子はいつもと違ったように思えた。同じ表情を保とうとしながらも、時より語気を強め、自分自身の感情の高ぶりを何とか抑えようとしている様相だった。「一方的なゲームになってしまったのは残念だったけど、相手が素晴らしいゲームをしたと思う。ゲームの出だしが全て、あそこで追いかける展開になってしまったのが残念だった。相手のプレッシャーに対して頭を使って賢く戦えば良かったのに、相手の弱い部分を突こうとせず、強引に正面からぶつかってしまった。さらに何故だか分からないけど、ここに来て自らのミスを恐れて逃げてプレーした選手もいた。それは後半改善されたけど、ここまで来たら全員がアグレッシブに強い気持ちでプレーし続けないといけない」。相手がどうこうよりも、自分たちが気持ちでハードに40分間継続して戦えなかったことを非常に悔やんでいた。
それは選手たちも同様であった。右足首のケガから驚異の回復を見せ、この日スタメン出場した篠山竜青は「出だしが全てでした、もう今日は自滅でしたね。相手のプレッシャーに対して自分たちが受け身になってしまい、さらには課題でもある相手にリードされた時に我慢ができず、気持ちが切れてしまった。右足首の状態からゲーム序盤は様子を見て、周りを活かしながら、自分も流れに乗れたらと思っていた。しかし、こういう展開になって自分が序盤から激しくアタックすれば良かった。明日は今日しっかりプレーできることが分かったので、もっといいプレーが出せる」と語った。
大黒柱の一人、クラッチシューターの辻直人は「結果的にはチームとして何もできなかった。本当に出だしが痛かったし、気持ちで相手より劣っていた。ミスを恐れて全員が消極的なプレーをしてしまったと感じている。こういう戦いでは一瞬の気の緩みが勝敗を左右する、気を引き締めないといけない」とコメントすれば、世界最高峰リーグのNBAを経験しているルー・アマンドソンは「ゲームの出だしから精神力の強さも無かったですし、エナジーも良くなく、リズムに乗れなかった。相手の方が全て上回っていて、それに対して敬意を表したい。しかし、明日もゲームがあるので切り替えて準備万端でいいプレーをしなくてはいけない」と力強く話してくれた。
そう、彼らには昨シーズン激闘を戦い抜きファイナルに進出したという経験がある。「経験」という言葉を活かす時が今なのかもしれない。「2日目の第2戦と第3戦、合計50分間の重要性は昨シーズンのチャンピオンシップで理解している。一発勝負ではなく、明日戦えることは良かった。今この瞬間から切り替えて、明日への準備を全員が始めている」(篠)、「明日は絶対に勝たないといけない。自分の今まで経験したことを活かして、全ての力を出しきって、チームに強さと激しさをもたらしたい」(アマンドソン)と語るように、ファイナルまで進出した経験と世界最高峰でプレーをした経験が融合すれば、いつも彼らの輝きはすぐに蘇るであろう。
あの熱い気持ちを持って、ゲームスタートから激しく強く逃げずに戦うことが彼らの運命を左右するのかもしれない。
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