2020.04.14
今シーズン栃木ブレックスが好調をキープしている要因の1つに、若手選手の成長によるチーム力の向上が挙げられる。その中でも昨シーズンよりもプレータイムを大きく伸ばし、司令塔としても得点面でも様々な部分でチームに貢献しているのが鵤誠司である。
彼が昨シーズンよりも結果を残している理由、それはチームのために戦うというマインドセットでプレーしているからではないだろうか。一見すると派手な感じの雰囲気で個人としての存在感が非常に高いように見られる部分もあるが、彼の口から発せられる言葉の節々にチームという言葉が必ずあった。「チームとしてすごくいいリズムでバスケットができていて、チーム全員が同じマインドを持ってやれていることで自分のプレーもリズムに乗っています。自分も含めて他のメンバーもいいリズムでプレーができていると思っていて、それはやはりチーム力が上がっているからだと感じていて。だから個人としてのスタッツっていうのも良くなっているのかなと感じていますね」と語ってくれた。
11月10日のライジングゼファー福岡戦の勝因を「本当に第3クォーターは相手に20点取られましたけど、それ以外の時間帯ではチームで相手に激しいプレッシャーをかけ続けることができました。最終的にそのお陰で相手の失点を60点台に抑えることができて、勝利を収められたと思っています」と答えてくれたが、フィジカルを活かした彼のディフェンスはチームにとっては重要なポイントになっている。そのディフェンスのお陰でいいオフェンスが生まれているとも彼自身分析している。
「うちのチームはディフェンスから全て始まるので、いいディフェンスをすればいいオフェンスにつながります。スタッフやコーチ陣が映像を見てしっかりと準備をしてくれているので、僕たちはそれを聞いて準備して、予測をしながらプレーしている結果が成長につながっていると思っていて、そういう流れがなければディフェンスもできないと思っています。なので、チーム全体として戦っているというイメージを感じています。自分自身シーズン序盤でなんとも言えないですけど、オフェンスではチーム戦術の部分もありますが自信を持ってシュートを打てていることによって、昨シーズンよりも良い結果が出ているのかなと思っています」
チームの顔である田臥勇太やエースシューターの喜多川修平が、現在はケガでコートに立てない状況である。そんな状況に鵤は「ブレックスらしさという部分を保ちながら、僕たちは僕たちの良い部分をしっかりとコートで出していけたらいいかなと思います。そういうことを感じながらプレーしてしますね」と現状をしっかりと認識してプレーする重要性を口にした。最後に今シーズンの目標について聞くと、「自分のスタッツとかどうでもいいので、チームにプラスになるとかチームが勝てるようなことを何か1つでも多くやっていきたいなという思いです」と力強い思いを伝えてくれた。
全てはチームのために。“For the Team”の精神で戦う彼が結果をコート上に残し続けていけば、栃木ブレックスはますますB1の舞台で強烈な輝きを発し続けていくであろう。
文=鳴神富一
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