2019.03.03

日本代表ポイントガード対決は篠山竜青に軍配「自分が引っ張っていけるようにやっていきたい」

激しいディフェンスをみせた篠山竜青 [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキングプロデューサー(事業責任者)

 男子日本代表の13年ぶりとなるワールドカップ出場決定の興奮も冷めやらぬ3月2日、各地でB1リーグが再開。川崎市とどろきアリーナでは、中地区2位の川崎ブレイブサンダースが東地区4位のサンロッカーズ渋谷と対戦した。昨シーズン同じ地区に所属しており6度の対戦があった同カードだが、今季は所属地区が異なり、今節が最初で最後の対決。日本代表の選手として川崎には篠山竜青辻直人ニック・ファジーカス、SR渋谷にはベンドラメ礼生が所属する。その中でもキャプテンとして日本をワールドカップ出場に導いた篠山と24日の予選最終戦で代表デビューを飾ったベンドラメのマッチアップには注目が集まった。

 バスケットボールは5人にそれぞれの役割があり、必ずしも1対1の対決が試合の雌雄を決するものではないのだが、場内MCもワールドカップ出場が決まったこのタイミングでは、やはり“日本代表ポイントガード対決!”と見どころを紹介。場内の注目もこの2人に集まることになった。

 満員の3912名が見守った日本代表ガード対決だったが、ベンドラメは、スターティングガードをともに務める山内盛久が序盤のファウルトラブルで出場時間が制限されたこともあり、自身でボール持つ時間が長くなったことが一因となって、プレーの判断ミスを連発。37分の出場で3得点、6つのターンオーバーを犯す消化不良のゲームとなった。対照的にチームの勝利に貢献を果たしたのは篠山だ。

 篠山は第3クォーター、第4クォーターの開始直後など要所でチームに試合の流れを引きこむように素晴らしいアシストや3ポイントシュートを決めると、激しいディフェンスでベンドラメにゲームコントロールを許さず。13得点6アシストの活躍で、延長戦までもつれた激しい試合を89-80で制する原動力となった。

 試合後の取材に応じた篠山は「アジアでの戦い(日本代表の試合)とBリーグの試合ではプレーの性質が違いますし、Bリーグでの試合の方が、よりチームとしてオフェンスもディフェンスも構築されたものを求められるので、大変なところはあります」と代表とクラブの違いを明確にしつつも、続けて「しっかりアジャストして積みあげていきたいですし、自分が引っ張っていけるようにやっていきたいです」と終盤戦に差し掛かったレギュラーシーズンに向けての意気込みを力強く口にした。

 また、ワールドカップ出場が決まり、以前よりもバスケットボールが注目を集めるようになったことに対しては「チケットが完売で、多くの方に来場いただいて。礼生も含めて『代表お疲れ様でした』という雰囲気を作っていただいて非常にありがたかったです」と謝意を示しつつ、重要な一戦に手に汗を握る接戦を提供できたことについて「その中で、延長戦にもつれこむ白熱した試合を見せられたことは良かったかなとも思います」と笑顔を見せた。

 日本代表の強化にも貢献したことが証明できたBリーグ。開幕して、はや3年目を迎えた今シーズンも残すところ19試合となった。各チームへと戻った代表戦士たちの活躍からも目が離せない。

文=村上成

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