【B2第1節見どころ】昇格をかけた戦いがスタート…外国籍PG獲得の熊本は昨季最高勝率のA千葉に挑む

B2は熊本vsA千葉の一戦で幕開け [写真]＝B.LEAGUE

吉川哲彦

　毎シーズンのようにプレーオフに進みながらもＢ1昇格に手が届かない熊本ヴォルターズは、多数のNBA選手を育てたジェフリー・ヒロナカヘッドコーチを新たに迎え、アジア特別枠選手も初めて獲得するなど、「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON」は改めて目標への強い意志を示した。ここ数シーズンは故障者の続出に悩まされているところもあり、本村亮輔や磯野寛晃などの完全復活は特に大きなカギを握ることになるだろう。

　2シーズン続けてリーグ全体1位となり、昨シーズンに至ってはシーズン最高勝率記録を塗り替えたアルティーリ千葉もまた、B1昇格のかかった大一番を2シーズン連続で落とし、今シーズンもB2で戦う。こちらはアンドレ・レマニスHCが続投し、新加入選手も2人だけという継続路線。シーズンをとおして、勝負強さを培えるかどうかがポイントとなる。

　幸先良くホームで白星スタートを切りたい熊本の注目選手は、ガードのキヘイ・クラークだ。大学時代に全米優勝に貢献した攻撃型の司令塔であり、NBAサマーリーグも経験。トランジションで得点力アップを狙う熊本にとって、新たなオフェンスの起点としての働きが期待できる。昨シーズンのB2で4番目に失点が少なかったＡ千葉との対戦は、クラークの実力を測るいい試金石にもなるだろう。また、B1昇格を巡る争いがより激化することも予想されるなか、その行方を占うという意味でも、両チームの開幕節での戦いぶりは重要となるに違いない。

　31連勝を記録するなどB3で圧倒的な成績を収め、最速でのB1昇格を狙う福井ブローウィンズと、無念の降格から1シーズンでのB1復帰を目指す信州ブレイブウォリアーズが開幕節に激突することも、昇格争いに影響を与えそうだ。福井は昨シーズン、ホームで全勝しており、相手が難敵であればあるほどファンの後押しは心強い。オフェンス力では互角とみられるなか、福井はホームコートアドバンテージを最大限に活かすことができるか。

信州に加入したペリン・ビュフォードはリーグ屈指の実力を誇る [写真]＝B.LEAGUE

　B2で5番目に失点が少ないディフェンス力が光り、一昨シーズンから勝率を上げたバンビシャス奈良は、今シーズンこそ初のプレーオフ進出を果たすべくディフェンスをさらに強化。対する青森ワッツは主力の多くが去り、昨シーズンのB2で2位の得点力をいかに維持するかが問われる。昨シーズンの対戦は奈良が4戦全勝。開幕9連敗を喫した昨シーズンとは打って変わって好スタートを切るために、青森をロースコアに封じたい。

　Bリーグ初年度以来7シーズンぶりにB2の舞台に立つ鹿児島レブナイズは、過去に対戦のないライジングゼファー福岡との“九州ダービー”で幕を開ける。大型補強で選手のほとんどがB1経験者となった福岡に対し、鹿児島は当たり負けしないフィジカルが必要となるが、アンソニー・ゲインズ・ジュニアの身体能力はB2でもトップクラス。今シーズンの台風の目になるという意味でも、その能力を存分に活かした戦い方を披露したいところだ。