2024.11.22
10月2日、富士通レッドウェーブのBTテーブスヘッドコーチ、町田瑠唯、宮澤夕貴、林咲希の3選手らがフランチャイズである川崎市の福田紀彦市長を表敬訪問。自治体からのサポートに感謝するとともに11日に開幕する「Wリーグ 2024−25シーズン」に向けて活躍を誓った。
市長へのあいさつの中でテーブスHCは「優勝してからあまりゆっくりできなかった」とオフを振り返った。その理由は韓国で行われた『2024ウリ銀行 パクシンジャカップ』と中国開催の「FIBA女子バスケットボールリーグアジア」に出場したからで、新たな国際大会での戦いを通じて、「若手の底上げができた」と指揮官は手応えを口にした。
「今シーズンのライバルはデンソー(アイリス)」と明言したテーブスHCは、チーム力がアップしたこのメンバーで「リーグ連覇と皇后杯優勝の2冠」を目標に定めていると語った。
一方の福田市長は「『公園にバスケのゴールを設置してほしい』というお願いを多くいただくようになりました。川崎市にはBリーグの川崎ブレイブサンダースも活動されていますが、バスケットボールの熱が高まっていることを感じています。優勝を期待しています」と、富士通のさらなる活躍にエールを贈った。
表敬訪問のあと、町田、宮澤、林の3選手がメディアへの取材に応じ、来るシーズンに向けての目標や抱負を語った。
――自身14回目のWリーグ開幕を迎えます。
町田 高校時代、富士通に声をかけていただいて、ここでプレーしたいという強い気持ちを持って入団しました。その思いは今でも変わりません。
――さらにどのようなことを高めていきたいと思っていますか。
町田 毎年課題があって、それを少しずつクリアしても、まだできていない部分があります。そういうところが今シーズンも課題になると思います。
――具体的に課題はオフェンスですか?
町田 これまでパスで味方を活かしたいという気持ちが強かった分、シュートを含めて自分で攻める姿勢が大切だと思います。そうすることで、周りを活かせるポイントがあるので、今シーズンも継続してやっていきます。
――目指していた優勝を成し遂げ、モチベーションに変化はありますか。
町田 大きくは変わらないと思います。目指すものは同じで、今シーズンであれば2連覇ということになります。昨シーズン1回でも勝つことの難しかをすごく感じただけに、それを連続で行うことはより難しくなるのは分かっています。それ以上にやらなければいけないことが増えると思いますし、チームとしても一人ひとりがステップアップすることが重要ですね。
――2部制になることで変わる点はありますか。
町田 主力だけのメンバーでは絶対に戦いきれないので、チーム力のアップが大事になると思います。若手や中堅の力が必要になりますし、1チームと4試合行うので、アジャスト力も必要になりますね。もちろん試合前の準備もですが、試合の中で自分たちがアジャストしたり、相手のアジャストに対してどのように対応するか、その力が必要になります。ヘッドコーチ、スタッフとコミュニケーションを取りつつ、コート内で解決できるようにやっていきたいと思います。
――2連覇を目指すシーズンが始まります。
宮澤 私にとって連覇は当たり前のことだったので、特にプレッシャーは感じません。目の前の試合やこのチームでどのやって勝てるのか。2部制になりますが、1試合ずつ集中できたら自ずと優勝はついてくると思います。今シーズンはデンソーが強いので、そこをどうやって倒すかも意識しています。
――オフに経験した国際大会はチームにどのような影響を与えていますか?
宮澤 韓国と中国遠征ではベンチメンバーの出来が良くて、若手も中堅も育ってきていることを感じました。チームの層が厚くなってきたので、チームで戦えるのではないかと思います。それを開幕から継続してみんなのパフォーマンを維持できて、もっと成長できたらいいなと思いますし、個人的にも期待しているとことでもあります。
――選手の入れ替わりがあまりありませんでしたが、そこは強みになりますか?
宮澤 移籍で宮下(希保)選手が来てくれたことは一つの変化だと思いますが、それ以外は変わらずなので、富士通のバスケが大きく変わることはありません。これまで積み上げてきたものを今シーズンも継続して高めていきたいと思います。
――目指すバスケのスタイルは。
宮澤 富士通はデフェンスのチーム。ディフェンスからの早い展開が富士通の強みなのでそれを継続します。また、昨シーズンよりも選手個々がレベルアップしていると思うので、チーム力を上げていきたいですね。誰がコートにでても自分の役割ができるようになり、パフォーマンスが下がらないチームにしていきたいと思います。
――富士通のカルチャーを築くためにも今シーズンが大切ですね。
宮澤 2部制になったことで、全員の力が必要ですし、今まで以上の意識を一人ひとりが持つことが大切です。今まで試合に出られなかった選手がチームのために何ができるのか。プレータイムに関わらず頑張りたいと言っている選手もいて。それを聞いたとき、すごくうれしくなりました。練習でもすごく頑張っていることが伝わってきます。その選手に限らず、チームとして変わってきたなという感覚はあります。楽しみです。
――連覇のかかるシーズンですが、どのような気持ちで臨みますか?
林 1つずつ勝っていこうという姿勢で臨みます。若い選手たちが勝ち方というか大事な場面でどうやって攻める、守るかを経験できたことは大きいと思います。仮に試合に出られなかったとしても、ベンチからでも学べたこともあっとはず。プレーオフのセミファイナルもファイナルも3戦までもつれたタフな状況を経験できたことは大きいと思っています。
――若手の成長につながりますね。
林 プレーオフではベンチから出た選手が良い流れを持ってくることもあったのですが、どちらかと言えば悪いときの方が多かったと思います。このオフは韓国と中国で開催された国体大会を経験して、良い流れにもっていく回数が多くなってきました。そこはしっかり学んでくれたんだと思います。
――パリオリンピックが終わってどのように切り替えましたか?
林 気持ちの部分ではしんどかったのですが、体は元気になっていくので帰国して3日後にはトレーニングを再開しました。動いてないと気持ち的に厳しい部分もあったので、個人としてまず頑張ろうという気持ちを持とうと。代表から富士通に戻ってきて勝ちたいという気持ちが出てきたのはいい傾向だと思います。悔しい気持ちをWリーグで晴らせれば。それは勝っていくこともそうですし、自分のプレーの質を高めていくことが大切ではないでしょうか。
――女子代表に続いて男子代表の活躍やBリーグも盛り上がってきました。
林 男女ともに盛り上がっていければいいですね。男子のほうが来場者数は多いのですが、私たちが発信できることも多いので、女子も観客が増えると思います。とても楽しみです。
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